新宿区議会 > 2004-11-25 >
11月25日-12号

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  1. 新宿区議会 2004-11-25
    11月25日-12号


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    平成16年 11月 定例会(第4回)      平成16年第4回定例会会議録(第1日)第12号平成16年11月25日(木曜日)出席議員(38名)   1番    有馬俊郎     2番    鈴木ゆきえ   3番    赤羽つや子    4番    吉住健一   5番    おぐら利彦    6番    下村治生   7番    志田雄一郎    8番    うるしばら順一   9番    根本二郎    10番    なす雅之  11番    麻生輝久    12番    川村のりあき  13番    くまがい澄子  14番    小松政子  15番    山添 巖    16番    深沢としさだ  17番    宮坂俊文    18番    桑原公平  19番    猪爪まさみ   20番    のづたけし  21番    あざみ民栄   22番    阿部早苗  23番    近藤なつ子   24番    沢田あゆみ  25番    小畑通夫    26番    とよしま正雄  27番    そめたに正明  28番    野口ふみあき  29番    秋田ひろし   30番    小野きみ子  31番    久保合介    32番    えのき秀隆  33番    田中のりひで  34番    笠井つや子  35番    雨宮武彦    36番    松ヶ谷まさお  37番    かわの達男   38番    山田敏行 ---------------------------------欠席議員(なし) ---------------------------------説明のため出席した者の職氏名  区長     中山弘子    助役     永木秀人  収入役    佐田俊彦    企画部長   金子良江                 区民部長  総務部長   石村勲由           猿橋敏雄                 事務代理  福祉部長   布施一郎    健康部長   石崎洋子  保健衛生         渡邉紀明    環境土木部長 野口則行  担当部長  都市計画部長 河村 茂    企画課長   小栁俊彦  予算課長   寺田好孝    総務課長   酒井敏男  教育委員会          教育委員会         山﨑輝雄           今野 隆  教育長            事務局次長  選挙管理  委員会    矢口 亮    常勤監査委員 愛宕昌和  事務局長  監査事務局長 馬場慎一 ---------------------------------職務のため出席した議会事務局職員  局長     根岸紘一    次長     渡部優子  議事係長   大岡 博    議事主査   西村 茂  議事主査   倉田忠枝    議事主査   松本謙治  議事主査   前田好春    調査管理主査 太田誠司  書記     川津丈明 ---------------------------------  速記士    熊澤多子 ---------------------------------11月25日   議事日程 日程第1 代表質問 日程第2 16陳情第24号 訪問看護に関する陳情 日程第3 16陳情第25号 無料のカウンセラー設置に関する陳情 --------------------------------- △開会・開議 午後2時01分 ○議長(山添巖) ただいまから、平成16年第4回新宿区議会定例会を開会します。 本日の会議を開きます。 会議録署名議員は、  6番 下村治生議員  23番 近藤なつ子議員を指名します。 --------------------------------- ○議長(山添巖) 本日の会議時間は、議事進行の都合により、あらかじめ延長します。 --------------------------------- ○議長(山添巖) 次に、事務局次長に諸般の報告をさせます。 ◎議会事務局次長(渡部優子) それでは、報告いたします。 なお、文書については既に配付済みですので、内容等の朗読は省略させていただきます。 最初に、区長から、 1、平成16年第4回新宿区議会定例会の招集について 2、平成16年新宿区一般会計補正予算(第4号)ほか21件の議案送付について 3、平成16年11月1日付の人事異動に伴い、平成16年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について 4、地方自治法第 180条第2項の規定に基づく専決処分の報告について 次に、監査委員から、 1、平成16年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(9月分)以上でございます。 ---------------------------------                       16新総総総第2487号                       平成16年11月16日新宿区議会議長  山添 巖様                         新宿区長  中山弘子      平成16年第4回新宿区議会定例会の招集について このことについて、本日別紙写しのとおり告示したので通知します。 (別紙)(写)新宿区告示第454号 平成16年第4回新宿区議会定例会を11月25日に招集する。  平成16年11月16日                         新宿区長  中山弘子 ---------------------------------                       16新総総総第2491号                       平成16年11月17日新宿区議会議長  山添 巖様                         新宿区長  中山弘子             議案の送付について 平成16年第4回新宿区議会定例会に提出のため、下記議案を送付いたします。                 記 1 第72号議案 平成16年度新宿区一般会計補正予算(第4号) 2 第73号議案 新宿区行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例 3 第74号議案 新宿区行政手続条例の一部を改正する条例 4 第75号議案 新宿区組織条例の一部を改正する条例 5 第76号議案 新宿区住民基本台帳基本条例の一部を改正する条例 6 第77号議案 新宿区印鑑条例の一部を改正する条例 7 第78号議案 新宿区一般事務手数料条例の一部を改正する条例 8 第79号議案 新宿区学童クラブ条例の一部を改正する条例 9 第80号議案 新宿区立保育所条例の一部を改正する条例10 第81号議案 新宿区立特別養護老人ホーム条例を廃止する条例11 第82号議案 新宿区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例12 第83号議案 新宿区立母子生活支援施設条例の一部を改正する条例13 第84号議案 新宿区立小滝橋いきがい館条例の一部を改正する条例14 第85号議案 新宿区立ことぶき館条例の一部を改正する条例15 第86号議案 新宿区立ふれあいプラザ条例の一部を改正する条例16 第87号議案 新宿区保健衛生事務手数料条例の一部を改正する条例17 第88号議案 新宿区特定公共物管理条例18 第89号議案 新宿区自転車等の放置防止及び自転車駐車場の整備に関する条例の一部を改正する条例19 第90号議案 新宿区浄化槽清掃業の許可及び浄化槽保守点検業者の登録に関する条例の一部を改正する条例20 第91号議案 新宿区文化財保護条例の一部を改正する条例21 第92号議案 公の施設の指定管理者の指定について ---------------------------------                       16新総総総第2433号                       平成16年11月1日新宿区議会議長  山添 巖様                         新宿区長  中山弘子 平成16年中における新宿区議会に説明のため出席させる者の変更について(通知) このことについて、平成16年11月1日付け幹部職員の人事異動発令により、下記のとおり変更しましたので通知いたします。          〔巻末諸報告の部参照〕 ---------------------------------                       16新総総総第2536号                       平成16年11月25日新宿区議会議長  山添 巖様                         新宿区長  中山弘子            専決処分の報告について このことについて、地方自治法(昭和22年法律第67号)第180条第2項の規定に基づき、別紙のとおり報告します。          〔別紙は省略〕 ---------------------------------                       16新監査第433号                       平成16年10月25日新宿区議会議長  山添 巖殿                      新宿区監査委員  二宮 忠                         同     愛宕昌和                         同     繁田勝男                         同     根本二郎  平成16年度新宿区歳入歳出例月出納検査の結果について(9月分) このことについて、地方自治法第235条の2第3項の規定に基づき、下記のとおり報告します。          〔巻末諸報告の部参照〕 --------------------------------- ○議長(山添巖) 会期についてお諮りします。 本定例会の会期は、本日から12月6日までの12日間にしたいと思います。これに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山添巖) 異議なしと認めます。 会期は、本日から12日間と決定しました。 --------------------------------- ○議長(山添巖) これから本日の日程に入ります。 日程第1、代表質問を行います。 質問の通告を受けましたので、順に質問を許します。 最初に、24番沢田あゆみ議員。          〔24番 沢田あゆみ議員登壇、拍手〕 ◆24番(沢田あゆみ) 私は、2004年新宿区議会第4回定例会に当たり、日本共産党新宿区議会議員団を代表し、区長並びに教育委員会に質問いたします。 最初に、区長の政治姿勢について伺います。 イラク・ファルージャでは、米軍の無差別攻撃による住民の大量虐殺が行われ、民間人の死者は少なくとも 2,000人と報じられています。ファルージャから命がけで脱出したイラク人は、「米兵は建物の屋上に上がり、そこから老人、女性、子どもの区別なく動くものすべてに銃撃を加えました。テロを口実にこのような攻撃をする米軍こそテロリストではないですか」と、その無法で野蛮な行為を告発しています。 イラク国内はもとより、世界じゅうでアメリカは野蛮な殺りく行為を直ちに中止せよという声が巻き起こっています。ところが小泉首相は、この作戦を成功させなければならないという驚くべき発言で、直ちにアメリカへの全面的な支持を表明しました。 区長は、米軍がファルージャで行っている行為についてどのような見解をお持ちですか。平和都市宣言を発した自治体の首長として、アメリカに対しすべての軍事作戦を直ちに中止するよう求めるべきと考えますが、区長の見解をお示しください。 イラクでは、宗教者が「イラク人と日本人との強いきずなは、日本が軍隊を送ったことで崩壊に向かっている」と発言するなど、自衛隊撤退を求める世論が強まっています。日本国内の世論調査でも、自衛隊派兵の延長反対を求める意見が5割から6割以上と多数を占めています。国会では、日本共産党と民主党、社民党は共同でイラク特別措置法廃止法案を提出し、即時撤退を強く要求しています。 今や政府が主張する自衛隊派兵の根拠さえ、すべて崩れているではありませんか。大量破壊兵器は存在せず、イラク戦争の大義は根本から崩れました。イラク全土に非常事態宣言が敷かれ、自衛隊が派兵されている地域が「非戦闘地域」でないことは明らかです。大量殺りく行為を続ける米軍を支援して派兵を続けることは、イラク国民との関係、アラブ・イスラム世界全体との関係で、日本を取り返しのつかない立場に置くことになります。 区長は、自衛隊のイラク派兵について、これまで「反対する考えはありません」「国会の意見を尊重したい」と答弁されてきました。あくまでも政府及び国会で多数を占める与党に従うという区長の考えは、イラク国民の意向とも、世界や日本の世論ともかけ離れているのではないかと憂慮するものですが、改めて区長の見解をお聞かせください。 次に、震災対策について区長と教育委員会に質問いたします。 10月23日、新潟県中越地震が発生し、死者40人、負傷者 2,859人の大きな被害が出ました。被災者の皆さんに、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。被災地に派遣された区職員の皆さんも大変御苦労さまでした。 私ども日本共産党区議団は、雨宮、近藤、あざみ区議と、私の4人が11月11日、12日の2日間、小千谷市を中心にボランティア活動をしてきました。私たちが行ったときは、まだ電気、ガス、水道が全く復旧していないところもあり、ひび割れや土砂崩れで3分の1ぐらいが壊れている道路や、建物も応急危険度判定の赤(危険)、黄(要注意)のステッカーが張られた家をたくさん見ました。 被災者の方のお話も伺ってきましたが、これが新宿区だったらと思うと背筋が寒くなると同時に、今回の教訓を新宿区の震災対策に生かさなければと思いました。 以下、4つの問題に絞って質問します。 第1は、命を守るために倒壊しない安全な家にすることです。 新潟県中越地震は大地震にもかかわらず、建物の倒壊による死者が阪神・淡路大震災に比べて少なかったのは、豪雪地帯で建物が頑丈だったからだと言われています。区は、アクション04事業で、木造住宅等の耐震化支援事業をことし7月20日より実施していますが、きょう現在申請が37件で、そのうち、今回の地震以降の申請が23件と、急速に関心が高まったことを示しています。 わが党が今定例会で条例提案をしているリフォーム条例は、耐震化のための改良、改善工事を含むリフォーム工事費に助成をするものですが、着実な耐震化促進のため、区の支援は調査、計画の費用のみに限定するのではなく、工事費そのものにも助成を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。 第2は、避難所のあり方を再検討することです。小千谷市では人口約4万 1,000人に対して、最高時2万 9,243人、人口の約7割が避難者となりました。家は倒壊しなくても強い余震が続くため怖くて家に入れず、当初は人々が避難所へ殺到し、避難所に入れなかった人はガレージやテントで生活しました。 新宿区地域防災計画の東京直下地震の被害想定によると、避難所生活人口2万 2,960人としています。これは、全区民の約8%、木造住宅居住人口の約30%であり、小千谷市の実態と比べて極端に少ない数字です。地震が平日の日中に起きたら、帰宅困難者を含めて収容できるだけの避難場所が確保されているのか再検討し、まだ避難所に指定されていない私立学校や避難所に適した企業の建物などについても協力を求め、避難所の指定を拡大すべきと考えますがいかがでしょうか。 また、避難所になる区立小・中学校のうち、小学校5校、中学校6校が耐震補強工事が未実施となっています。早急に実施すべきですが、完了はいつになるのかお答えください。 第3は、備蓄物資についてです。被災地では、コンビニもスーパーも壊滅状態で、多くが閉店したままでした。地域によっては通っている8本の道路のうち7本が寸断され、車で移動できず、市役所から配給されたのは2日目の夕方になってもパン5個を8世帯で分けなければならないような実態でした。 新宿区の備蓄物資は、食料については区民の3日分を確保しているといいますが、帰宅困難者のことも含め、現状の備蓄で本当に足りるのか再調査、再検討が必要ではないでしょうか。 しんじゅくトークで、ある町会長さんが学校の備蓄倉庫の問題点を指摘していました。区長は、教育委員会と一体となって総点検をすると答えておられましたが、その進捗状況をお示しください。 そもそも学校内の備蓄倉庫は空き教室を間借りしている状態に過ぎず、震災のことを想定したつくりにはなっていません。今後、建てかえを行う学校については備蓄倉庫を単独で設置するなど、いざというとき使いやすい設計にすべきと考えますが、いかがでしょうか。 また、今回の震災では、道路が大きな被害を受けたことを考えると、救援物資の運搬がすぐに開始できない可能性もあり、備蓄物資を歩いて配ることも予想されます。第二次避難所となっているところにも最低限の物資については備蓄しておく必要があるのではないでしょうか、お答えください。 第4に、仮設住宅の建設についてです。小千谷市では11月10日現在、仮設住宅の申し込み希望者は 1,300件です。当初 400戸建設予定だったものを 800戸にしたそうですが、それでも不足しています。新宿区の防災計画では、仮設住宅建設計画の検討として、新宿中央公園に 191戸など、都立及び区立公園13カ所に 1,381戸となっていますが、木造密集住宅市街地整備促進事業地域などに3万 4,763戸もあることを考えると、被害の大きさによっては、仮設住宅の戸数も見直す必要があるのではないでしょうか、見解をお示しください。 次に、指定管理者等事業者の選定方法について質問します。 地方自治法の改定以降、各自治体の施設の管理運営を指定管理者制度に移行する事例がふえてきました。法により自治体の直営でない場合は、2006年度までに指定管理者の指定を行わなければならないことから、新宿区でも多くの施設がその対象として検討が進められています。 私たちは、区の施設は基本的に区の直営で管理運営すべきであり、特に、福祉施設や社会教育施設などについては、その管理運営に区が責任を持つべきであると考えます。しかし、施設の経過などもあり、区以外の事業者が管理運営することに一律に反対するものではありません。 ここでは、指定管理者制度や業務委託のあり方について幾つか質問します。 その第1は、区民の負担増や利用条件が後退しないようにすることです。指定管理者制度によって、公の施設を民間企業も管理運営できるようになりました。ここには民間企業サイドから見れば、ビジネスチャンスとして指定管理者制度をとらえているのではないでしょうか。当然、指定管理者制度の中では、区は、これまでの管理運営経費の減額を大きな目的としています。したがって、区民にとって利用する際の負担が従来よりふえないか、これまでの利用条件よりも後退しないかということが心配されます。 区は指定管理者制度への移行によって、決して区民負担の増大や利用条件の後退を招いてはならないと考えますが、区長の見解をお示しください。 また、区の指定管理者制度への対応方針では、「利用料金制を導入することが利用者の不都合や区等の事務の障害となる場合は、区の歳入事務とする」としています。この立場から区民への負担を増大させないために、必要な場合には指定管理料、委託料を増額する、または補助金を出すこともすべきだと思いますが、いかがでしょうか。 第2は、事業者選定の際、住民参加と情報公開を徹底することです。新宿区の環境学習情報センター区民ギャラリーの指定管理者を選定した際には、都内で最初の指定管理者制度ということもあり注目されました。このときは、プロポーザル形式環境審議会委員2名、社会教育委員1名、弁護士1名、公認会計士1名による外部委員5名と内部委員4名の9名からなる選定委員会で選定されました。 応募のあった13団体を第1次の書類審査で5団体に絞り、第2次審査の公開プレゼンテーションは傍聴者が30名余りいる中で、その場では事業者名も明らかにされ、選定委員による質疑応答も行われました。これ以降、区の指定管理者制度への対応方針が打ち出され、これに沿って公募が行われていますが、住民参加と情報公開という点で現状はまだまだ不十分と言わざるを得ません。 質問の第1は、選定委員会の構成についてです。環境学習情報センター区民ギャラリーのときは、選定委員会に環境審議会委員や社会教育委員を入れることで、区民関係者の参加が一定保障されました。区の対応方針では、「選定委員会には外部委員(弁護士、公認会計士、大学教授等の学識経験者や施設特性に応じた専門分野担当、当該施設の利用者等)を加え、十分な透明性及び専門性を確保する」とされています。しかし、実際の事業者選定では、学識経験者や区の職員のみで構成され、利用者や区民の参加が十分に保障されていないのが現状です。 例えば、中央区がことし7月にオープンした知的障害者生活支援施設の場合、6人の選定委員のうち2人は区内の知的障害者団体の代表となっています。こうした事例も参考に、選定委員会の構成は公募も含めて、区民の参加を最大限保障すべきと考えますがいかがでしょうか。 質問の第2は、可能な限りの情報公開を行うことについてです。 環境学習情報センター区民ギャラリーのときは、最終選考に残った事業者の得点と、選定された事業者名が公表されましたが、公開プレゼンテーションの場で各事業者名についても事実上公開されました。しかし、これ以降区が行った事業者選定は、選定された事業者名のみを公開し、選定されなかった事業者については名誉を守るため非公開にする、企画書については、事業者のノウハウや企業機密に属することも含まれるので非公開にするという、区民から見て、透明性の低い公開の水準だと言わざるを得ません。 新宿区においても、事業者を募集する際には事業者名や企画書の内容も含め、情報公開することを前提に募集し、より透明性を高めていく必要があるのではないでしょうか。 以上のことを踏まえ、指定管理者制度への対応方針については見直しを行い、指定管理者以外の事業者公募の際もこれを準用すべきではないでしょうか、区長の見解をお示しください。 次に、介護保険制度と特別養護老人ホームの建設について質問します。 質問の第1は、現在、厚生労働省が進めている介護保険制度の見直しについてです。厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会介護保険部会で、2006年実施の見直しが検討されています。 検討の内容は、1、介護保険料を二十歳から徴収する、2、給付抑制のために介護施設利用者からホテルコストと称して、月額3万円を超える水道光熱費や食費などを徴収する。3、要支援、要介護1の軽度要介護者の給付を制限する。4、利用料の本人負担を現行の1割から2割ないし3割に引き上げる。5、障害者支援費制度と統合する、というもので、新聞等の報道では部会内の議論が紛糾し、見直し案の策定が難航しているようです。 この問題では、区長会が6月9日に決議を採択し、国に対して要望を提出したことは承知していますが、保険者である区市町村が地域の実情に即して、それぞれの意見や要望を提出することも重要ではないでしょうか。案が固まらない今の時期こそ働きかけが重要です。 そこで区長に伺います。 さきに述べた見直しの論点について、区長はどのように認識、評価していますか。これが実行に移されたら区民生活に及ぼす影響は甚大であり、区として反対の立場を明確にすべきであると考えます。全国市長会で要望したからよしとせず、武蔵野市や三鷹市が国に直接意見を提出しているように、新宿区としても区民の立場に立った意見を国に対して積極的に提言すべきではないでしょうか、区長の見解を求めます。 質問の第2は、低所得者の介護保険利用料負担軽減制度を創設することについてです。介護保険制度導入前からホームヘルプサービスを利用していた方の訪問介護利用者負担を軽減する経過措置が来年3月に終了となり、区内で 288人が影響を受けます。また、国と東京都のサービス提供事業者による生計困難者に対する利用者負担軽減措置も、3月が終了期限となっています。制度上の制約から利用者が少ないとはいえ、国と都の制度合わせて区内で59人です。全国ではかなりの自治体が独自の利用者負担軽減制度をつくっていますが、新宿区には独自制度がなく、国と都の経過措置が唯一の救いでした。 全国市長会の国に対する要望では、低所得者の保険料、利用料負担軽減のために、「財政措置を含めて総合的かつ統一的な対策を講じるよう、抜本的な見直し」を求めています。国に見直しを迫るのとあわせて、新宿区としても低所得者の介護保険利用料負担軽減制度を創設すべきではないでしょうか。厚生労働省の見直しが利用者負担引き上げの方向に向かっていることも踏まえて、区長の見解をお示しください。 質問の第3は、特別養護老人ホームの建設についてです。私どもは、昨年の第3回定例会で、百人町四丁目の都営戸山団地の建てかえ後の跡地は国に返還するのではなく、都営住宅を建設するよう要請するとともに、その際、特別養護老人ホームの併設を都と協議するよう提案してきました。 市谷砂土原町の計画が中止に追い込まれた後、ことしの第2回定例会での私どもの質問に対して、区長は、「今後、公有地の活用も含めさまざまな選択肢を視野に入れて、整備目標の達成に努めてまいります」と述べました。砂土原町の計画が中止になった後、目標達成のために、区長は具体的にどのようなアクションを起こしてこられたのでしょうか。また、私たちが提案してきた東京都等への働きかけはしてきたのか、したのであれば協議の進捗状況もお聞かせください。 次に、ことぶき館について質問します。 第四次実施計画と第二次行財政改革計画については、パブリックコメントによる意見聴取と、区長と話そう~しんじゅくトークが行われ、計画の変更点も示されました。区民から重ねて出されている要望が幾つかありますが、中でもことぶき館の問題については、西落合地域の3つの高齢者クラブの会長が取りまとめた陳情が区議会に寄せられ、委員会で継続審査になってからも署名がふえ続け、 1,100名を超えたと聞いています。 第1に、西落合ことぶき館の存続についてです。関係者との話し合い、また、しんじゅくトークでは、区長自身が区の考え方について繰り返し説明しても、なお住民の皆さんからは存続の要望が強く出されています。今求められているのは、区の方針を決まったこととして区民に押しつけるのではなく、区民と十分に話し合うこと。そして、話し合った結果、区民が強く要望していることについては、例えそれが当初の区の方針と違っていたとしても、区は方針を撤回して、区民の要望を実現すべきではないでしょうか。          〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 区が示した第二次行財政改革計画策定に当たっての考え方の整理では、廃止の検討をすることとしている幾つかの社会教育会館やことぶき館などについて、反対や不安の声が寄せられました。施設の見直しに当たっては、単に施設を廃止するのではなく、地域需要を的確にとらえて生涯学習の活動場所、高齢者の方の居場所を地域に確保していくことを明確にしていきますと述べています。 西落合ことぶき館では、高齢者クラブの友愛活動などによって利用者が 1,000人もふえ、高齢者の引きこもり防止や介護予防にも大きな役割を果たしています。地域需要を的確にとらえるのであれば、ことぶき館や社会教育会館を残すことこそ、この地域の需要にこたえるものではないでしょうか。 四谷の幼保一元化も結局は区民の意見は聞き入れられず、区の方針に沿って進められ、住民、関係者と区との間に埋めようもない大きな溝をつくる結果となりました。このようなやり方を西落合でも押し通すことは、区民と区との信頼関係に禍根を残すことになり、やるべきではありません。 西落合ことぶき館については存続をさせ、新たに建設される落合第二区民センターとあわせて区民の活動拠点となるよう充実させるべきです。区長の見解をお示しください。 第2に、ことぶき館の有料化問題についてです。パブリックコメントやしんじゅくトークでも出されていたのは、ことぶき館を引き続き無料で使えるようにしてほしいという要望でした。第二次行財政改革計画でことぶき館については、当面区の直営とし、2006年度以降に指定管理者制度へ移行し、それに伴って利用料金制度を導入、個人利用以外は有料化するという区の考え方を示したのに対し、区民から「待った」の声が上がっているのです。 先ほども述べたように高齢者が生き生きと活動できるのは、いつでも、無料で、気軽に利用できることぶき館があるからです。しんじゅくトークでは、「ことぶき館の看板を下げず、有料化しないでほしい」、「区の高齢者福祉に対する姿勢が問われている」、「高齢者もボランティアとして活動しているんだ」という、町会、高齢者クラブの役員の方からの意見もありました。区は、住民との協働を言うのであれば、区民、ボランティアが活動しやすい環境をつくることも区の重要な仕事ではないでしょうか。ことぶき館については、2006年度以降も引き続き無料とすべきです。見解をお示しください。 次に、新宿駅周辺の再開発について伺います。 新宿区まちづくり懇談会に区が資料として提出した新宿駅周辺の巨大開発構想は、区民に大きな驚きを広げています。最終的な完成は30年後とするその構想は、5つの地区に分けられて、合計18のプロジェクト計画が示されています。中でも、新宿駅界隈地区については、「空港ターミナルビルの雰囲気を醸す開放感あふれる未来型デザインの広大な駅空間を創出する」「線路上空の一部には駅ビル建てかえによる超高層複合タワーが南口のタワーとともにそそり立つ」。その中には、ホテル、オフィスのほか劇場などを入れて「観光交流拠点」に、また、「駅周辺のデパート群などの建てかえにあわせて」、「新宿摩天楼」と称する高層タワー群を建設し、「24時間眠らない未来型の空中国際ビジネス街の形成を目指す」という内容です。 まちづくり懇談会で、区長は、「『え、こんなタワーが建って、こんなビジネス空間?』という感じもあるかと思うのですが、次のビジネス空間というものをここに期待したい、次なる時代の都心センターにふさわしいまちの建て直しということで御提案をさせていただいております」と強い思い入れを表明されています。 区がこのような構想を示している日本テレビ跡地から西新宿に至る新宿駅周辺地域は、国が進める都市再生事業の緊急整備地域に指定されており、まちづくり懇談会の資料では、その実現を図るために、都市再生事業の手法をふんだんに活用することが前提となっています。都市再生事業では、都市計画や建築の各種の規制が緩和され、民間主導で計画を提案し、短期間に都市計画決定することが可能になります。 緊急整備地域に指定された大崎駅周辺地域の例では、明電舎跡地を都市再生特別地区とし、容積率 300%の準工業地域で 750%の容積率を確保、31階建て、延べ床15万 5,160平米の商業ビル建設がわずか4カ月で都市計画決定されました。 既に都内は、バブル最盛期の倍といわれる建設ラッシュで、この5年間に、高さ 100メートル以上の業務商業ビルだけでも46地区、延べ床面積およそ 507ヘクタールという巨大な超高層ビル群が建設され、二酸化炭素の増大やヒートアイランド現象など、東京の環境は深刻な事態を迎えています。 区がまちづくり懇談会に示した資料には、大型幹線道路の整備に合わせて街路樹や広い歩道を整備する「光と風の道」など、「環境共生」と称する対策もありますが、新宿駅周辺に超高層ビルを林立する構想は、それをはるかにしのぐ都市環境悪化への道ではないでしょうか。 しんじゅくトークでも意見が出されましたが、区民の皆さんからは、「区は、がん検診の有料化やことぶき館、社会教育会館の廃止など、区民に直結する仕事はどんどん後退させておいて、超高層ビル建設に熱中するつもりなのか」という心配の声が上がっています。 そこで区長に伺います。区長が描く新宿駅界隈の将来像と、その実現プロセス、及びそこへの区の関与と区財政の投入をどのようにお考えなのかお答えください。また、都市再生緊急整備地域である新宿駅周辺地域の整備についての区の考え方と方針をお示しください。 区がまちづくり懇談会で示した構想の一部は、既に具体化が始まっています。その中で、2つの事業についてお伺いします。 第1は、区と東京都、JR東日本、小田急電鉄などが参加した検討委員会で、来年3月に策定予定の新宿駅周辺整備計画についてです。わが党はこれまで、首都の拠点ターミナルであり、区民以外の利用者が圧倒的に多い東西自由通路について、区が多額の負担をする形での事業遂行をきっぱりと拒否すべきだと指摘してきました。区が事業主体となれば、建設費の3分の2を区の責任で調達することになり、それだけで数十億円の区民の税金の投入を余儀なくされ、管理費まで負担することになります。仮に財源が都区財調だとしても、区民が納めた税金であることに変わりありません。東西自由通路の概算整備費用、事業主体などについて検討委員会での検討状況と、現時点での区の考え方についてお示しください。 検討委員会では、自由通路のほかにも駅周辺の建物、道路の再整備、駅前広場周辺地区の段階的整備なども含め、駅周辺整備計画を策定することになっています。一方、まちづくり懇談会の資料では、さきに紹介した超豪華な新宿駅建設を目標としながら4つの主要事業として、「駅内広場と東西自由通路」、「駅ビルに文化・観光の拠点づくり」、「東口広場の再生」、「空中歩行者デッキ」を「順次整備していく」と書かれています。検討委員会では、これらについてどの範囲まで検討対象とされているのでしょうか。また、駅周辺整備計画に区民の意見をどのように取り入れるつもりなのか、あわせてお答えください。 第2は、歌舞伎町の再開発についてです。Yomiuri Weekly11月7日号は、「歌舞伎町で進む摩天楼構想」という記事を掲載しました。その中で、まちづくり計画担当副参事は、まだ懇談会レベルと前置きして、「歌舞伎町の再開発は代官山、渋谷、丸の内の比ではない。東京のセンター都市として、ニューヨークのマンハッタン、上海のプートンに匹敵する世界レベルの都市にしたいと考えている」と発言されています。また、区長は、まちづくり懇談会で「ニューヨークのタイムズスクエアを参考にしたような再生の取り組みを提示させていただいた」と発言されており、区民は、区長及び区が相当膨大な再開発構想を描いていると受けとめています。 さらに、まちづくり懇談会の資料では、歌舞伎町全体の再開発の整備手順や、先行再開発エリアである「劇場都市」については、行政も加わった再開発組織、まちづくり協議会の立ち上げ、構造改革特区としての観光交通特区の手法などが具体的に記されています。現に、歌舞伎町商店街振興組合が中心となって立ち上げられた歌舞伎町まちづくりプロジェクトには、区もオブザーバー参加し、再開発や構造改革特区の活用も視野に入れた検討が進められています。わが党は、環境浄化も含めた歌舞伎町の計画的なまちづくりは重要であると考えますが、大事なことは、その内容と進め方です。そこで区長に伺います。 第1に、区長が描かれている歌舞伎町のまちづくり構想はどのようなものか、Yomiuri Weeklyの報道も踏まえてお答えください。 第2に、先行再開発エリアとされるいわゆる「劇場都市」について、区として再開発、都市再生特別地区の活用などの事業手法を考えているのか。また、構造改革特区の活用について検討していることがあればお答えください。 第3に、とりわけ歌舞伎町のまちづくりについては、その成り立ちからも地権者の意向だけで進めるわけにはいかないと考えます。歌舞伎町の料飲文化を支えているさまざまな人々や関係者、区民の意向を十分反映させる必要があると考えますが、区として具体的に検討していることがあればお答えください。 次に、学校選択制度について教育委員会に質問します。 新宿区で学校選択制度が導入されて2年目になろうとしています。既に5年目に入った品川区では、選ばれる学校になるために、学校のPR紙づくりやケーブルテレビの番組製作など、本来の教育活動のほかに宣伝活動にも教職員が時間を割かなければならない事態や、子どもの安全を保障するPTAの地域パトロールも困難さを抱え、学校を核にして培われてきた町会などのコミュニティー活動も、世代の継続性に不安の声が出されるなど、学校選択制度による弊害が顕著にあらわれています。 品川区教育委員会は、「小規模校でも小規模校なりの学校運営があり、統廃合はしない」と明言し、学校統廃合とセットで学校選択制度を進めることはしていませんが、それでも入学生のふえる学校と減る学校との格差は広がる一方です。まして新宿区は、学校適正配置の名による統廃合と同時並行で学校選択制度を進めることで、既に品川区同様の弊害が出始めています。 今年度の小・中学校新1年生保護者アンケートでは、通学区域の学校を選ばなかった理由で、「児童・生徒数の少ない学校」が小学校で 15.03%で第3位、中学校は 10.61%で2位です。また、来年度の小学校の選択理由を見ると、「クラス数、児童数が多い」が11%で、兄弟関係、近い、幼稚園の関係に次ぐ4番目になっています。裏を返せばクラス数、児童数の少ない学校は選ばないということです。 10月12日、学校選択制度に伴う小学校の抽選が行われた結果、早稲田小学校20名、余丁町小学校20名、市谷小学校48名の補欠が発生しました。昨年も2校が抽選になりましたが、結果として落選者はありませんでした。しかし、ことしは市谷小学校だけを見ても、現在の6年生の2クラス分、80名までしか新1年生の受け入れができません。私立などに行く児童があったとしても、通学区域内の子どもと兄弟が在学している区域外の子どもしか入学できる見込みはなく、学校選択制度のもとで選択を行った子どもがほとんど落選するという事態です。 補欠になったある保護者は、「子どもの人間関係で区域内の小学校には行けない。選択制は行きたいところを選べると思っていたのに、子どもにどう説明していいのかわからない」と大変嘆いていました。 昨年もある小学校の補欠になったお子さんが、繰り上げ当選が決まるまで夜眠れず、情緒不安定になってしまったという話を聞きました。補欠になって入学する学校が決まらないことだけでも子どもは心を傷めます。まして、落選して希望でない学校へ入学することになった子どもの気持ちはどんなものでしょうか。教育委員会は、こうした子どもや保護者の気持ちをどのように受けとめ、どう対処していくつもりなのかお答えください。 以上のような実態から見ても、学校選択制度は、子どもたちのよりよい教育環境づくりに資するとはとても思えません。学校選択制度は廃止すべきです。また、学校適正配置計画も現在進行している計画以降は、白紙にすべきではないでしょうか、お答えください。 以上で私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(中山弘子) 沢田議員の御質問にお答えいたします。 初めに、米軍がファルージャで行っている行為について、どのような見解を持っているかとの御質問です。ファルージャへの攻撃は、国際テロ組織が国際社会の平和と安全に与えている脅威を取り除くためと言われていますが、平和都市宣言を行っている区長としては、世界の恒久平和の実現を心から希求するとともに、一刻も早くイラクが平和な民主的国家として再建されることを望んでいます。 次に、イラクへの自衛隊派遣について、政府及び国会で多数を占める与党に従い答弁してきたとの御指摘ですが、イラクへの自衛隊派遣については国会の承認を受けていることであるので、国会の意見を尊重したいと考えていることを従来より答弁いたしております。 次に、震災対策についての御質問にお答えします。まず、住宅の耐震化に対して工事費にも助成するべきであるというお尋ねですが、区が本年度から行っている木造住宅等耐震化支援事業は、区民の生命と財産の保全にかかわる緊急かつ重要な事業であり、一般のリフォーム工事と異なり、公共性が極めて高いものと考えています。 この補強工事には、耐震診断や補強計画の策定という一般のリフォーム工事にはない特別な工程が必要とされ、区民の大きな負担となっています。そのため、この部分について、区は費用助成することで耐震化を促進しております。 工事費の助成については、実施計画中間のまとめでもお示ししましたように、来年度から住宅資金の利子補給の制度を立ち上げるべく、鋭意検討をしているところです。 次に、帰宅困難者を含めた避難所のあり方の再検討についてのお尋ねです。通勤、通学者が多く、商業・業務地区が高密度に集中している新宿区では、徒歩により帰宅することが困難となる帰宅困難者が多数発生すると予想されています。このような震災後滞留者が、大量輸送手段の回復まで事業所にとどまることを検討することは極めて重要であると考えております。そのため、来年度修正を予定している新宿区地域防災計画では、帰宅困難者問題を解決するため、事業者に企業防災の必要性を認識していただく施策を検討してまいります。 また、今年度、東京理科大学と避難所利用の覚書を取り交わしましたが、一時的休息場所や宿泊施設の確保について、私立の教育機関や映画館等にも積極的に協力を求めてまいります。 次に、備蓄物資についてのお尋ねです。現在、区では東京都の被害想定に基づき、食糧備蓄の数量を決めております。確かに新潟県中越地震では、一部地域で食糧が行き渡らなかったとも聞いていますので、その実情を把握するとともに、首都直下地震対策専門調査会が現在まとめている被害想定を待って、来年度に予定している地域防災計画の修正の際に、食糧を初めとした備蓄物資の再検討を行いたいと考えております。 次に、学校の備蓄倉庫の問題点についてです。倉庫の設置場所は、いざ災害を考えれば1階に設置することが望ましいわけですが、3階、4階に設置してあるところや、学校内に確保できないところがあります。これまでも教育委員会とは連絡を密にしながら、問題のある倉庫の解消に努めてきています。しかし、児童・生徒が日々使用している施設という実態の中で難しい問題もありますが、さらに協議をしてまいります。 また、備蓄物資については、現在適正管理に努めているところですが、長期間の保管等により品質が劣化した物資や、場所によっては通気性の悪い地下倉庫もありますので、早急に倉庫の総点検を進めてまいります。 次に、避難所専用備蓄倉庫の設置については御指摘のとおり、現在建てかえ計画中の学校については、住民の利便性を考慮した専用備蓄倉庫の設置を教育委員会と調整し進めてまいります。 第二次避難所への備蓄についてですが、第二次避難所は、災害発生後、区の体制が整った段階で、職員の配置ができた施設から開設をしていく計画となっておりますので、開設時点で物資も一定程度配備できるものと考えています。また、あらかじめ備蓄をするには、備蓄場所の確保という問題もあり、今後の検討課題といたします。 次に、新宿区の防災計画における仮設住宅の戸数の見直しの必要性についてのお尋ねです。新宿区地域防災計画の応急住宅対策では、応急仮設住宅の建設用地の候補として、区立公園11園と、都立公園3園を選定し、合計で 1,381戸の応急仮設住宅の建設が可能であることを確認しています。 しかしながら、被災の規模によっては、確認した応急仮設住宅の数では不足することもあり得ることから、震災時の優先的な空き家民間賃貸住宅の確保や、行政区域を越えた仮設住宅の建設用地の確保、大規模民間用地の活用協力など、さまざまな工夫が必要と考えています。 次に、指定管理者制度への移行に当たって、利用者の負担増や利用条件の後退がないようにとの御指摘についてです。指定管理者制度は、これまで地方自治体が50%以上出資した外郭団体などに限定していた公の施設の管理を、民間事業者やNPOなどにも代行させることができるようにしたものです。 それは、公の施設の管理に民間事業者の経営ノウハウを取り入れることで、サービスの質の向上を図るとともに、経営の効率化を図ることを目的としています。このような制度の趣旨を十分に踏まえ、指定管理者の自主的な経営努力を発揮しやすくするため、その施設の利用料金を指定管理者の収入とする利用料金制をできるだけ取り入れていきます。 その場合、利用料金は指定管理者が決めることになりますが、条例で金額の上限も規定しますし、区として料額を承認するまでの間に、適正な料金設定となるように指示、調整してまいります。 また、管理経費の過度の削減によりサービスの質が低下することのないように、委託料の設定などにおいても適切に対応いたします。いずれにしろ、新宿区では指定管理者制度を導入することで、経費を節減しつつ区民サービスの向上を図り、区民満足度の高い施設運営が可能となるよう努めてまいります。 次に、指定管理者等の事業者選定委員会の構成に公募も含めて区民参加を保障すべきではとのお尋ねです。公の施設の指定管理者の選定に当たっては、施設の特性に応じた分析と判断が必要となりますので、選定委員会に施設特性に応じた専門家や利用者代表などの外部委員を加えることで、十分な透明性と専門性を確保していきたいと考えています。 これまでも、例えば区民保養所の指定管理者の選定委員会では、利用者の立場を代表して町会の方に委員となっていただくなど、施設の性格や状況に応じた審査委員会の構成を工夫しています。 選定委員の公募については、選定作業の専門性を確保していくことが難しいと思われますので、事業者選定に際して委員を公募することは考えておりません。 指定管理者等の選定にかかる区民の参加は、指定管理者に期待する業務の範囲や施設利用に関する説明会や利用者アンケートなどを適宜実施し、一般の利用者や区民の皆さんの声を十分にお聞きすることにより、確保していきたいと考えています。 次に、事業者公募の際の情報公開についてのお尋ねです。事業者の公募に当たって、事業者名や事業計画の詳細な部分までも公開すると、事業者の権利や競争上の地位などが著しく損なわれる危険がありますし、それに伴い、優秀な経営ノウハウを持つ事業者の応募が阻害される危険もあります。したがって、詳細な事業計画の公開などは、事後においても考えていません。 区では、事業者の公募から選定までの過程における公平性と透明性を担保することを前提として、施設の特性に即した最善の選定方法とすることとしており、状況に応じて、公開プレゼンテーションなども実施するなど、柔軟な対応に努めているところです。 したがって、選定過程における情報についても、事業者への影響にも十分に配慮しながら、公表できるものは極力情報公開していきます。このように指定管理者制度への対応方針は、公平性と透明性に配慮したものとなっており、その趣旨を十分生かせるよう取り組んでまいります。 また、この対応方針は、指定管理者制度に関するものであり、他への準用は考えておりません。 次に、介護保険制度と特別養護老人ホームの建設についてのお尋ねです。まず、介護保険制度の見直しの論点についての質問です。 これらの論点は、介護保険制度の持続可能性を高め、将来を見据えた「給付と負担のあり方」をめぐる課題と受けとめています。まず、「被保険者の範囲を20歳からに拡大し、負担と給付は表裏一体という観点から、あわせて65歳未満の障害者の介護も介護保険を優先にすること」については、若年者等に理解が得られにくく、障害者の支援費制度の検証も重要と考え、全国市長会を通じて慎重な対応を要望してきたところです。 また、ホテルコストの導入については、低所得者にも配慮しつつ、在宅と施設との給付の不均衡を是正するために必要なことと考えています。 軽度者への給付については、介護予防の観点から「新・予防給付」を創設し、サービスの質的転換を図るものであると認識をしています。さらに、利用料負担を一律1割から2割ないし3割に見直すことについて、社会保障審議会介護保険部会の報告では、現時点では慎重に対応すべきとされておりますので、区としては、国の動きを注視していきたいと考えております。 次に、低所得者の介護利用料負担軽減制度の創設についてのお尋ねです。御指摘のとおり介護保険法施行時に、訪問介護を利用していた低所得の高齢者については、平成17年3月で利用者負担軽減措置が終了します。これは、介護保険導入に伴う自己負担の激変緩和の観点から、特別の措置を講じてきたものです。介護保険導入後の新規利用者との公平性の観点から、存続させることが適切であるとは考えておりません。 また、現在実施している「社会福祉法人等による生計困難者の利用者負担軽減措置事業」に関しては、平成17年度について継続する方向で検討しています。 次に、特別養護老人ホームの建設についてのお尋ねです。市谷砂土原町の特別養護老人ホーム整備計画中止の後、事業者から持ち込まれる計画の検討や、百人町四丁目都営住宅建てかえ事業における特別養護老人ホーム併設の可能性の打診等の活動を行ってまいりました。 こうした中で、国から特別養護老人ホームの施設整備に対する国庫補助金を縮小して、交付金化するという方針が出されています。 区としては、このような国庫補助制度や介護保険制度の見直しの動向を見守りつつ、計画どおりに特別養護老人ホーム整備に向けて努力をしてまいります。 次に、西落合ことぶき館などはこのまま残すべきではないかとのお尋ねです。今後の施設のあり方として、地域の皆さんが利用される集会室などの施設は、行政の縦割りを排して、老若男女が出会い、交流できる多目的な活用をしていただき、地域の需要に的確に対応した効率的・効果的な施設運営をしていく必要があります。 今回、新しく整備する落合第二地域センターは、高齢者の方にも利用しやすいセンターとすることで、ことぶき館の集会室機能を統合することとしますが、それは、児童人口割合が高い落合地域において、今後も新たな子育て支援関連の地域需要が発生することが見込まれているからです。 区としては、西落合ことぶき館は、子育てのための施設として転用し、地域需要に応じた活用としたいと考えています。この件については何回か説明会を行い、地域の御意見を伺ってまいりました。その中で、「子育て施設としても高齢者も参加できるように、世代間交流のためのスペースが必要ではないか」という御意見をいただきましたので、区としてもそのようなスペースを整備していきたいと考えています。 また、「地域センターの開設と同時にことぶき館を廃止するのではなく、移行期間を設けてもらいたい」という御意見もありましたので、今後検討していくこととしています。 このように、地域の皆さんの御意見を十分お聞きしながら、落合地域に最もふさわしい施設となるよう検討を進めてまいります。 次に、ことぶき館の有料化についてのお尋ねです。区では、平成18年からの指定管理者制度への本格的な移行に向けた準備作業に合わせて、区有施設の使用料のあり方についても考え方を整理したいと考えており、ことぶき館の有料化も従前からの課題として検討してまいります。 しかし、ことぶき館を利用されるすべての方から使用料をいただくのではなく、団体で部屋を独占的に利用される場合に使用料をお支払いいただくことを想定しています。したがって、ことぶき館で囲碁、将棋をされるような個人利用の部分を有料化することは考えていません。 また、ことぶき館に限らず他の集会施設でも、区民の方々のボランティア活動に対して、区として支援できるように使用料の減額、免除も含めてさまざまな角度から受益者負担のあり方の検討を行います。 次に、新宿駅周辺の再開発についてのお尋ねです。まず、新宿駅界隈の将来像とその実現プロセス及び区の関与と区財政の投入についてですが、現在、新宿駅周辺に立地する建物の多くは、築40年に達し老朽化が進んでおり、今後、20年から30年を展望しますと、建てかえが視野に入ってきます。 私は、この民間ビル更新の動きを新宿区のまちづくりにとってよいチャンスととらえ、望ましい方向に誘導していきたいと考えております。そのため、私は昨年末よりまちづくり懇談会を立ち上げ、有識者の皆様といろいろ議論しているところです。 これからも駅界隈のまちづくりは、民間を主体に進んでまいりますので、区財政の出動は基本的にはないものと考えています。区の役割は、まちづくりの将来像を計画として描き、これに基づいて民間のビル更新を的確に誘導していくことと認識しています。 また、新宿駅周辺地域の整備の考え方についてですが、この地域は、現在、都市再生緊急整備地域の整備方針において、「わが国の国際的な中枢業務機能を担う拠点の形成と、あわせて商業・文化等の集積による多様な魅力を備えた回遊性のある観光・交流拠点の形成を目指す」とされていますが、私は、これに加えて美しい街並みの形成と、歩いて楽しいまちづくりを進めていきたいと考えています。 次に、東西自由通路についてのお尋ねです。新宿駅周辺整備計画検討委員会は5月に開催され、現在、東西自由通路の課題を整理しているところです。お尋ねの整備費用や事業主体については、今後の検討の中で明らかになっていくものと考えております。 区としては、事業主体のいかんにかかわらず、区の費用負担が極力生じない方向で、東西自由通路の実現に努めてまいります。 次に、新宿駅周辺整備計画についてのお尋ねです。検討委員会では、交通環境整備の総合的見地から、東西自由通路、東口広場等を整備するため調査及び検討を行っております。この検討に際しては、適時情報提供を行い、区民要望を反映させるよう努めてまいります。 次に、歌舞伎町のまちづくり構想をどのように考えているかというお尋ねです。現在、区では、歌舞伎町をだれもが楽しめる、安全で安心な街へと再生していくため、ソフト、ハード両面を合わせた総合的なまちづくりとして、歌舞伎町対策を推進しています。この対策の一環として、これまで違法看板の取り締まりや、まちの環境美化などのクリーン作戦を実施するとともに、シネシティ広場での各種イベント等を行ってきたところです。 今後は、この取り組みをさらに継続するとともに、あわせてまちの更新に向けてまちづくりに取り組んでいきたいと考えております。第四次実施計画中間のまとめでも、歌舞伎町対策の推進事業として掲げていますが、来年度から2年かけ、まちの現状の調査分析を行い、地元の皆様と協働して、歌舞伎町の将来のまちづくり計画を策定してまいります。 さらに、再開発地区について、都市再生特別地区の活用等を考えているのかとのお尋ねです。この地区は、都市再生緊急整備地域に指定された地権者が、都市再生特別地区として都市計画の提案を行うことができることとなっています。 区としては、地権者から都市計画の提案があった場合には、まちづくり計画への適合、公共への貢献度などを総合的に考え、だれもが楽しめるまちとなるよう誘導していきたいと考えております。 次に、歌舞伎町のまちづくりは地権者だけでなく、さまざまな関係者の意見を反映して進める必要があるのではないかとのお尋ねです。区は、これまでも歌舞伎町対策の推進に当たっては、地元の商店街振興組合や歌舞伎町二丁目町会を初め、警察署、消防署、入国管理局等、多くの関係者と話し合い、意見を調整しながら協働でまちづくりを進めてきております。 今後、まちの更新に当たっても、引き続き、これらの方々との意見交換を進めてまいりたいと考えています。 以上で答弁を終わります。 ◎教育長(山﨑輝雄) 教育委員会への御質問にお答えをいたします。 初めに、小・中学校の耐震補強工事の完了時期についてのお尋ねです。耐震補強工事につきましては、これまでも財政状況、学校教育活動等を考慮しながら、計画的に耐震補強工事を進めてまいりました。 公共施設は、比較的頑強な構造になっており、さきの新潟県中越地震におきましても、学校施設の圧壊・倒壊はなかったと聞いております。 しかしながら、避難所として使用される学校施設の耐震補強は重要な課題と考えておりますので、御指摘の耐震補強工事未実施の小・中学校につきましては、区全体の耐震計画を踏まえながら、実施に向けて着実に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、学校選択制度についてのお尋ねです。学校選択制度は、子どもに適した学校を保護者に主体的に選んでいただくことを目的の一つとして、今年度導入したものです。 導入に当たりましてはアンケートやパブリックコメントなどを実施し、区民の方々の御意見を十分に反映してきたところであります。御指摘の数の格差が広がることが問題であるという点につきましては、特定の学校を除けば、従前の指定校変更制度においても同様な傾向は見られていたものであり、逆に小規模校でも増加している学校もあります。 いずれにしましても、子どもの教育環境をよりよくしていくためには、この制度の充実が重要であると考えております。今後も子どもや保護者の気持ちにも十分配慮しながら、改善に努めてまいります。 あわせて学校の適正規模の確保や、施設の老朽化に対応するために、学校適正配置も引き続き計画的に進めていきたいと考えております。 以上で答弁を終わらせていただきます。 ◆24番(沢田あゆみ) 自席より発言をさせていただきます。 大方納得がいかないところの多い答弁だったわけなんですけれども、細かいところでは再質問はしないんですが、ただ1点、区長の政治姿勢についてお尋ねをしました。今の現状につきましての区長のお考えとしては、世界の恒久平和を願うということで、そういう気持ちは私も全く同感で同じなんですけれども、ただそうであるならば、今、あのような事態になっている、米軍がファルージャで行っているような行為についてどのような見解をお持ちなのかという質問や、それから、アメリカに対してはすべての軍事作戦を直ちに中止するよう求めるべきではないかという質問もしておりますので、これについては明確にお答えをいただきたいと思うんですが、先ほどの御答弁では、その辺のところがよくわかりませんでしたので、そこだけ再質問させていただきます。 ◎区長(中山弘子) 先ほど答弁をいたしましたように、私は、平和都市宣言を行っている区長としては、世界の恒久平和の実現を心から希求していますし、それから、一刻も早くイラクが平和な民主国家として再建されることを願っているところです。 また、自衛隊派遣についても、これについては国会で十分議論がされて承認を受けているところでありますので、そういったものを尊重してまいりたいというふうに考えております。 ◆24番(沢田あゆみ) それでは、さっきの答弁と同じだと思うんですね。聞いたことに答えていただけていないと思うんです。要するに、世界の恒久平和を願うという点では私も同じなんですけれども、であるならば、今の現状をどう見ているのか。やはりああいうアメリカ軍の軍事作戦中止を求めるべきではないかということに対するお答えがなかったので、再質問させていただいたのですが、残念ながら同じような答えが返ってきてしまいました。 これについては、引き続きどこかのところでまた議論しなければならないとは思ってはおりますが、いずれにしても、そういう区長の政治姿勢も含めて、区民の皆さんは、区長がどういう考えを持ってやっているんだろうかということについては、非常に関心を持っておられるので、そこのところについては、今後は明確にお答えをいただきたいということで、私の発言を終わります。(拍手) ○議長(山添巖) ここで、議事進行の都合により15分間休憩します。 △休憩 午後3時10分 --------------------------------- △再開 午後3時26分 ○議長(山添巖) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 13番くまがい澄子議員。          〔13番 くまがい澄子議員登壇、拍手〕 ◆13番(くまがい澄子) 平成16年第4回定例会の開会に当たり、新宿区議会公明党を代表し、区長並びに教育委員会に質問をいたします。重複する質問もありますが、何とぞ誠意ある御答弁をよろしくお願いをいたします。 まず初めに、この半年間に相次いで日本列島を襲った台風並びに集中豪雨、そして、このたびの新潟県中越地震に遭遇し、不幸にして亡くなられた皆様に対し、心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。 ことしは、集中豪雨、火山の噴火、台風23号など過去最多の10個の台風の上陸、そして、阪神・淡路大震災と同規模の新潟県中越地震など、史上まれに見る災害に見舞われた年となりました。 雪の結晶の研究で有名な中谷宇吉郎博士は、「雪は天から送られてきた手紙」と言いあらわしました。豪雪地帯は、また日本の貴重な水資源でもあります。耕して天まで至るといわれるほど棚田を切り開くことを可能にし、東北地帯を日本有数の大穀倉地帯にも発展させてきました。その豪雪地帯の一つを大地震が襲い、町や村、家、生活を一瞬に根こそぎ崩壊させて、改めて自然の驚異を見せつけました。 迫り来る冬、突然来る余震に被害者の心労は筆舌に尽くしがたく、さらにあすへの見通しが立たない被害者の不安は、降雪期を目前に募るばかりであろうと心が痛みます。 重ねてお見舞い申し上げますとともに、一日も早く安心して普通の生活が送れるよう心よりお祈りし、質問に入ります。 質問の第1は、次期基本構想と次期基本計画についてであります。「ともに生き集うまち」、「ともに考え創るまち」とうたい、新宿区の将来像を描いた新宿区基本構想が平成9年3月に策定されてから8年が過ぎようとしています。 この構想の実現のため、平成10年から10年間を前期、後期に分けて基本計画をつくり、さらに具体化のための実施計画を策定してきたわけであります。平成15年1月には、平成15年度から平成19年度の5年間を計画とする後期計画を策定して、その総仕上げとして平成17年度から平成19年度までの3カ年の第四次実施計画を策定中であります。 この第四次実施計画中間のまとめでは、重点項目として区民との協働による次期基本計画づくりを取り上げ、平成20年度以降の基本計画については、多くの区民を初めとした多様な主体の参画と協働による計画策定のプロセスを重視した計画づくりを行おうとしています。 当然のことながら、基本計画と基本構想は一体のものであるから、基本構想改定も視野に入れてのことと考えます。 そこで伺いますが、1点目は、本来基本構想があって、それに基づいて基本計画が策定されるべきが筋で、同時並行で進めようとされているのか。または、基本計画にあわせて基本構想を手直ししようと考えているのか、いずれを考えておられるのか御所見をお伺いいたします。 2点目には、区長は、策定後10年を迎える基本構想をどういう視点から改定、もしくは見直しをしようと考えておられるのか。去る11月12日の各派代表者会でも発言されたようですが、改めて御所見をお伺いいたします。 質問の第2は、将来を見据えた健全な財政運営についてであります。 現在、策定中の第四次実施計画の内容を見ると、特別養護老人ホーム施設整備費補助、小・中学校の統合新校の建設や地域センターの整備など、計画最終年度の平成19年度、あるいはそれ以降の年度に向かって大きな財政需要が生じる事業が盛り込まれています。 一方、区の財政は、これまで区民の理解と協力を得つつさまざまな行政改革の努力を積み重ねた結果、平成12年度以降4年間連続で実質単年度収支が黒字となり、財政調整基金も100 億円を超え、一定の改善傾向にあると言えます。 しかしながら、第四次実施計画期間とさらに20年度以降の財政需要、また、いまだ全貌が明らかになっていない三位一体の改革の影響などを考えあわせたとき、これまで以上に区の財政対応能力を高める取り組みや工夫が不可避ではないでしょうか。 再び財政非常事態を宣言しなければならないような事態だけは避けていかなければならないと考えます。 9月に出された「平成17年度の予算の見積もりについて」、助役名の依命通達においても、将来にわたり持続可能な財政の構築が掲げられています。区長は、将来を見据えた健全な財政運営をどのように実現していかれるおつもりなのでしょうか、お伺いをいたします。 質問の第3は、災害対策についてであります。 今回の新潟県中越地震の被災状況を見ると、日ごろ机上で立てた防災プランの多くが実際に役に立たなかったように思われます。さまざまな実体験を通して、防災計画の見直しを図ることが大事と考えます。その観点からより具体的に質問をいたします。 第1の質問は、自然災害が相次ぐ中、今回の震災の教訓は、今後、区としてどのように生かされていくのかお伺いをいたします。 第2の質問は、日ごろから安心安全の確保に傾注している新宿区は、災害に備えて新宿区地域防災計画が作成されており、地域には 201の防災区民組織が結成されて、「みずからの命はみずからが守る」という自助の精神、「自分たちのまちを自分たちで守る」という共助の精神を定めています。新潟県中越地震規模になると、自分の家族が逃げ出すのがやっとの状況で、本当にこの組織が生かされるのか疑問です。大丈夫ですか。 第3の質問は、今回の災害の教訓として、1つには情報が伝わらなかった、2つには高齢者や障害者の災害時要援護者への被害が集中、3つには避難所の場所がわからなかった等が挙げられます。 そこでお伺いいたします。1点目は、情報収集と伝達について伺います。災害発生直後は、正確な情報をどう収集するか、また正しい情報を住民にどのように伝えるかが大変重要であることは言うまでもありません。中でも、被災者に不安と混乱を起こさないために、迅速に状況を伝えることが重要であります。 地域防災計画には、防災行政無線、広報車、テレビ、ラジオ、インターネットとありますが、今回の地震では、ほとんど役に立っていません。 わが区においても、避難所となる公共施設や町会まで防災無線がありますといっても、本当にそれでいざというとき役に立つと思われているのでしょうか、お伺いをいたします。 2点目は、高齢者、障害者の災害時要援護者対策です。災害時にみずからを守るための適切な災害行動をとることが困難な方を対象に、本人の申告により災害時要援護者登録名簿も作成されていますが、その救援の具体策はどのように行われるのかお伺いいたします。 3点目は、夜間の防災訓練の実施についてであります。ガス、電気、水道のライフラインがすべて寸断され、真っ暗な中での日ごろの訓練も大切であると考えます。防災訓練といえば、今日まで朝が多く明るい想定のもとに行われてまいりました。暗闇の中での行動は勝手が違うことが多いと思われます。自然災害は時を選びません。どんなときでもすぐ対応ができるよう、ぜひとも夜間の防災訓練を実施すべきと考えます。 4点目は、避難所や避難場所の周知徹底です。新潟県において避難場所に指定されていたにもかかわらず、全く利用されていない場所があったと伺いましたが、行政がいくら発信しても住民の意識が低いと活用されない。決して新潟だけの問題ではないと実感しました。改めて、区民の皆様に避難所や避難場所の周知徹底を図るべきと考えます。また、区民にわかりやすい避難所や避難場所の標識の設置もお考えください。 5点目に、第四次実施計画の中間のまとめの重点項目に、地域ぐるみの防災体制づくりとして、避難所機能の充実が挙げられていますが、その具体策についてお伺いいたします。 第4の質問は、特別区災害時相互協力及び相互支援についてであります。平成8年に特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定を特別区間で結びました。被災区への応援職員の受け入れに関しても実施細目が記されています。しかし、災害発生時、区外に住む職員が駆けつけることが、交通網の遮断などで困難なことが予想されます。 そこで提案ですが、区内在住の他区職員を平常時に集まっていただき、災害時の応援職員としての派遣要員に定めておくということも有効であると考えます。地理的感覚の薄い職員が派遣されるよりも、住んでいる同じ地域の仲間として被災応援していく、ぜひこの事項について特別区の区長会で、中山区長が提案されることを要望いたしますが、区長のお考えをお聞かせください。 最後に、集中豪雨などによる都市型水害についてお伺いいたします。 台風23号の集中豪雨では、区内の道路はかなりの箇所で冠水し、地域住民が雨の中、排水溝のごみの取り除きをするなど、大雨に備えているのを目の当たりにしながら、これ以上雨が降らないように私も祈るような気持ちで地域を回っていました。 幸いにも短時間だったので、大きな被害もなくほっとしました。神田川を擁するエリアにいる私は、大雨のたびにサイレンに呼び出されております。50ミリ対応の神田川の整備は完成しましたが、ハザードマップによると、かなり厳しい現実があります。 場所によっては、浸水5メートルという予想が出ていますが、例えて言えば豊岡市と同じ状況になるわけです。このような状況が想定されているわけですが、区は今後、神田川の治水対策をどのように考えておられるのでしょうか。水位情報など、また、下水道の幹線整備と雨水貯留施設の整備については、東京都と協議の上早急に対応すべきであります。御所見をお伺いいたします。 質問の第4は、介護保険の見直しについてであります。 2004年4月にスタートした介護保険制度の抜本的な見直し作業を進めてきた社会保障審議会の介護保険部会の最終報告がまとめられようとしています。新宿区も国の動向を見ながら、平成17年度には5年目の見直しが予定されており、平成18年度には第3期介護保険事業計画策定が予定されております。そこでお伺いいたします。 1点目は、介護保険事業の将来像についてであります。制度見直しの具体論では、第1に総合的な介護予防システムの確立に向け、介護保険における要支援、要介護1などの軽度者を対象にした新・予防給付の創設。2、市町村を責任主体とする統一的な介護予防マネジメントの確立。3、市町村の老人保健事業や介護予防事業の基本的な見直し、介護保険に基づく事業に位置づけることも検討を掲げています。 これらの報告をもとに、新宿区の介護保険事業の将来像をどのように描いているのかお伺いいたします。 2点目は、介護サービス基盤整備についてお伺いいたします。第四次実施計画中間のまとめでは、デイサービスを基本にし、必要に応じて泊まりや訪問を行いつつ高齢者を支える小規模多機能施設についても検討を進めるとあります。お年寄りは住みなれた地域から離れたくない、しかし、これまでの在宅サービスでは不十分なので、やむを得ず24時間介護の施設に入るのが現状です。 日中の通所、緊急の短期間の宿泊、高齢者向け住宅、訪問介護などさまざまな機能を持つ介護サービス拠点の整備は、高齢者が住みなれた地域で尊厳を持って生きていくために重要な視点であると考えます。 高齢者が施設に来るのは、住まいと食事と介護があるから。ならば同じサービスを自宅近くで提供し、地域での暮らしを支えたいと既に取り組んでいる長岡市の「サポートセンター永田」の責任者は、お年寄りが家にいると家族が泣く。施設に入るとお年寄りが泣く。だったら半分ずつ泣きませんかと、年中無休の通所介護の拠点を3カ所開設しています。 新宿区でも、地域に小規模・多機能サービス拠点をNPOなど民間活力を導入するなど、早急に整備すべきであります。区は、この問題をどこまで積極的に考えておられるのか、区長の決意をお聞かせください。 3点目は、軽度者への給付についてであります。 今回、国の改定案では、介護予防の重要性と新・予防給付が創設されるようですが、これによって、これまでの軽度者の在宅サービスが一律に制限されてはならないと考えます。従来から提供されてきたサービスなどについては、国の方針がそうだからといって一律に廃止するなど機械的に編成するのではなく、サービスの効果を検証しながら温かな心を持って見直しを行うべきであります。 介護は目を放さずに手を放すこと、自分の力で生活と社会の参加ができるように、体力や機能を維持させることが重要です。しかし、現状は、在宅サービスが当初の期待どおり、予防効果を十分に発揮していないことが大きな反省点と指摘されました。介護が国民の間に定着していることは大変喜ばしいことですが、何事にも手を差し伸べ過ぎて、かえって自分で生活する能力を失っている可能性があるなどの実態から、実効性の高い介護予防の手法を開発・評価し、広く普及されることが大事であります。 その視点から、介護のあり方をどう見直すのか大きな論点となったわけですから、給付の重点化と制度の効率化に目を奪われてしまいますと、不安を増す介護保険制度になってしまいます。ぜひとも利用者の立場に立って判断すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 4点目は、保険料改定と低所得者対策についてであります。これまでの介護保険事業は、給付と負担の関係で見ますと、給付が予想をはるかに上回る伸びを示し、現在の負担規模では、例え基金から借り入れをしたとしても、財政的危機に陥ることは時間の問題となっています。だからといって、無制限に、機械的に保険料を値上げすれば、未納がふえるなどさらなる混乱が生じます。 高齢社会の一層の進展で国民健康保険事業と同様、一般財源投入もやむなしの状況に追い込まれることになると危惧するところであります。保険者として、この点どのような見通しを持って事業を運営していこうとされているのか、お聞かせください。 さらに、低所得者対策について伺います。新宿区は、平成15年に保険料を国の5段階方式を6段階にし、さらに、低所得者対策を行い新宿区の独自性を発揮し、負担の軽減を図ってきたところであります。 今回、国の見直しでは、保険料について現行の2段階の中で、負担能力の低い層の保険料負担を軽減し、被保険者の負担能力をきめ細かく反映した保険料の設定を提案しています。全国市長会も同様の意見を上げていますが、この方針が決定したら区はさらにきめ細やかな低所得者対応を強く望むところであります。区長の英断に期待をいたします。 また、介護保険の給付対象となっている施設の居住費用や食費に関して、今回の見直しでは給付の範囲や水準を見直し、自己負担を原則とすることが検討されています。国民年金だけで生活している人は、居住費用を払ったら生活できないといったケースもあることから、新たな負担増に伴い低所得者が施設サービスの利用を中止せざるを得ないといったことのないよう、十分配慮すべきであると思います。お考えをお聞かせください。 5点目に、総合的な介護予防システムの確立についてです。介護予防については、各地で多彩な取り組みをしています。特に望むことは、いつまでもお元気で長生きするために、個個の高齢者に適合したオーダーメイドの介護予防プログラムを提供できるかどうかがポイントになります。一貫性、持続性のある総合的な介護予防システムの確立が求められています。 今、用意されている介護予防対策では到底対応できるものではありません。要支援、要介護1の高齢者を減らすことができ、第1号被保険者の保険料を抑えられると試算されております。保険者としては最重要な課題であります。 新宿区として、この問題をどのようにとらえ、具体的にどう対応しようと考えておられるのかお聞かせください。 6点目は、サービスの質の確保についてであります。介護予防や重度化予防に資するケアマネジメントの強化を図り、利用者に適切かつ効果的なサービスを提供できるよう、サービスの質の向上に取り組んでいかなければならないと考えます。そこで伺います。 区長は、適正な利用を促進するためにどのように考え、どのような対策を立てておられるのかお尋ねいたします。また、サービスの質の向上についての取り組みについてもお聞かせください。 以上6点について、区長の御所見をお伺いいたします。 質問の第5は、高齢者のいきがい・健康づくりについてであります。 現在、国では介護保険制度の見直しにあわせて老人保健事業の見直しも論議されています。その中では、介護予防、特に痴呆予防の必要性と具体的な対応策が大きなテーマになっているようです。その重要性はこれまでも指摘されてきたところでありますが、対象、対応策、事業の評価方法が確立されておらず、遅々として進んでいないのが現状です。 東京都老人総合研究所の検討会報告書の中の指摘によれば、痴呆予防には、第1に、地域型痴呆予防プログラムの展開と、そのためのファシリテーター育成、第2に、健康いきがい活動のための地域づくり、第3に、早期発見、早期対処が必要であるとしています。特に健康づくりやいきがいを目的とした活動を行うことで、生活習慣にかかわるリスクを小さくし、結果的に痴呆発症を抑制していくべきであるとしています。 具体的な活動例としてはウォーキングや器具を使わない筋力トレーニング、料理教室、囲碁、将棋、園芸、旅行など楽しく継続が容易なものを挙げています。そして、これらの活動を活発にするには、地域資源の情報を伝え、きっかけとなるような働きかけが必要であり、そうした役割を果たせるのは地域住民であるとしています。 なぜならば痴呆予防への取り組みはだれにも必要であり、それは、地域の住民自身が痴呆予防活動の担い手にならなければ実現できないからであります。 また、このような活動を広げるには、だれもが少しの学習でできる役割を持つこと、活動の負担を小さくするため、活動地域を小規模にすること、高度な施設ではなく、地域の社会資源を活用できるものにするということが指摘されています。 私は、第四次実施計画の中間のまとめの中に示されている、「高齢者が輝くまちづくり」の中のいきいき福祉大作戦、いきいきウォーク新宿、高齢者の社会参加システムの構築は、いずれもこの報告書と同様の趣旨のものと理解し、非常に期待をしているところであります。 そこでお伺いいたします。1点目は、「高齢者が輝くまちづくり」ということはすばらしいですが、急速に進む高齢社会を考えますと、この施策の推進の成否によって介護保険、老人保健事業の財政的破綻を招き、ひいては区財政に大きな負担がのしかかってくることは、自明の理であります。したがって、区長は、この予算編成の中でどう重点化を図ろうとされているのか、御所見を伺います。 2点目は、この東京都老人総合研究所の検討会報告書と、「高齢者が輝くまちづくり」は、どうリンクされるのか御所見を伺います。 3点目に、今年度04事業として社会福祉協議会に「ふれあい・いきいき推進員」を置き、サロンの展開を強化しましたが、現在のサロンの状況と評価を伺います。 4点目に、このような地域活動を広げるのに必要とされるファシリテーターについてどのようなお考えをお持ちなのか、御所見をお伺いいたします。 質問の第6は、次世代育成支援計画についてお伺いいたします。 昨年7月に成立した次世代育成支援対策推進法に基づき、企業、自治体、国及び地方公共団体の機関は、それぞれ今年度中に次世代育成支援のための行動計画を策定しなければなりません。深刻な少子化を背景として、社会全体で次世代の育成に取り組むもので、実効性の高い行動計画の策定が期待されています。 新宿区におきましても、その計画案が示され区民の皆様も期待するところが大きいのではないかと思います。また、現在取り組まれている次世代育成支援事業と、今後取り組まれる新規事業を合わせると 174事業もあり、きめ細やかな施策を展開されていることは、改めて敬意を表するものであります。そこでお伺いいたします。 第1の質問は、在宅で子育てに奮闘する家庭への支援策についてであります。現在、0歳から6歳までの子どもの人口は、1万 1,302人で、そのうち在宅で子育てしている子どもは5,587 人、在宅、在園の比率は約半々であります。次世代支援とは、すべての子育てに公平に支援すべきもので、今回の支援計画の中で、在宅子育て家庭への施策はどのように対応しようとしているのか、まずお聞きします。 さらに具体的にお尋ねします。1点目ですが、私どもがかねがね主張してきた、だれもがいつでも、気軽に一定の時間子どもを預けられる、いわゆる「いっとき保育」の施設の拡充についてであります。今年度双葉乳児院1カ所で実施されることになっていますが、これをもっと拡充すべきであると考えます。 子育てのみならず、母親が一人の女性として自立し、社会参加することを促進する重要な施策でもあります。新宿区は、すばらしい男女共同参画推進条例を制定したことからも、もっと積極的に取り組むべきと考えますが、区長の御決意をお聞かせください。 2点目は、「つどいのひろば事業」の地域での拠点づくりであります。厚生労働省では、「地域における育児支援事業の中核」と位置づけ、2002年度から補助事業として推進しており、将来的には中学校区に1つを目指すとしています。核家族化が進み、「縁側のコミュニケーション」も失われた現在、育児専業の母親の育児不安や孤立感が強いと言われます。そうした意味からもNPOやボランティアによるつどいのひろばの拡充が必要であります。 区は、北山伏保育園の跡地にNPOによる支援事業として立ち上げられていますが、私は、非常に注目をいたしております。今後その事業を検証しながら、さらに拡大すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。 第2の質問は、経済的支援についてであります。新宿区次世代支援に関する調査において、経済的支援を求める声が第1位でありますが、この案の中でどのように反映されているのか、またどのように反映させていこうとしているのか、区長のお考えをお聞かせください。 第3の質問は、中学生を持つ家庭への支援についてであります。先月行われた決算特別委員会のわが党の締めくくり質疑の中で、子育て支援の一環として、中学生に対する経済的支援策に取り組む必要があるのではないかとの質問に、区側は、一定の考え方を整理し、それに対応していかなければならない。また、何が少子化対策に有効かどうかといったことも含めて、今後全体として検討させていただきたいと答弁されました。 そこで改めてお伺いいたしますが、中学生に対する経済的支援策について区長はどのように認識し、どのようなお考えかをお聞かせください。 中学生の保護者の方からよく聞かれる声は、中学へ入学すると制服代、クラブ活動にかかる用具代及びユニフォーム代、塾等へ通う教育費、参考書代、副読本代、修学旅行費、さらには育ち盛りで体の成長も著しい時期なので食費もかさみ、経済的負担が大きくのしかかってくるということなどです。ゆえに子どもが小学校から中学校へ進むと、今まで専業主婦だった保護者の方が急に共働きを始めるケースが多く見られます。 中学生の経済的支援策としては、就学援助費制度がありますが、平成15年度で区内中学在籍者数の24.9%で、それ以外の中学生には何の経済支援もなく不十分に思われます。 第4の質問は、子育て支援の中心拠点づくりについて伺います。新宿区には、現在子育て支援センター的な役割をしている子ども家庭支援センターがあります。ひろば事業も活発に行われ、職員もふえさまざまな相談業務も充実してきており、それ自体は高く評価いたします。 しかし、センターのフロアには児童館や中落合ことぶき館などが含まれ、センター的な機能を果たすには手狭になってきていることも事実であり、さまざまな課題も見えてきました。例えば、子どもにかかわる相談業務一つとっても、育児相談、発育相談、思春期の相談や教育相談など、既に窓口はばらばらであります。 また、社会福祉協議会で行っているファミリーサポートや産後ヘルパーなどの事業は、子育て支援にかかわるものです。これらの事業の窓口をセンターで一本化する必要があります。したがって、子育て支援の中心拠点としての子ども家庭支援センターの強化が必要だと考えます。 また、相談だけでなく、子育て、子どもの成長のためには、交流、遊び場などの拠点づくりも重要です。わが会派は学校跡地などを視野に入れた「大きな子育て広場」をつくるべきだと提案してきたところでございます。次世代育成支援計画では、これらの課題にどのように対応したのでしょうか、区長の御見解をお伺いいたします。 いずれにしても、子育て支援の先行自治体として名乗りを上げている新宿区でもありますので、国や都の他の自治体の事業を追随するのではなく、新宿発の次世代育成支援事業を他の自治体に先駆けて展開すべきであると強く思います。          〔「そのとおり」と呼ぶ者あり〕 ひいては、そのことが中山区政の独自性をよりよく区民の皆様に理解していただけることと確信をいたします。区長の独自性に期待をいたします。 質問の第7は、子ども行政の統合についてであります。 今定例会において組織条例の一部を改正する条例が提案されておりますが、これには子どもにかかわる行政窓口の一本化が図られておりません。区民へのわかりやすさや事業の円滑化を考えれば、現在の制度では数多くの問題があります。新宿区では、今年度組織編成で、既に衛生部と高齢者の部門を統合して健康部を新設されました。私は、このスピードにさすがは中山区長だけのことはあると高く評価しておりましたが、高齢者ができて、子ども行政の一本化ができないのはなぜでしょうか、お聞かせください。 仄聞するところによりますと、教育委員会のガードがかなり固いのではとの感がいたします。縦割り行政の弊害を乗り越え、四谷小学校に幼保一元化園を誕生させるわけで、今後の少子化対策を強力に推進する体制づくりができないことが不思議でなりません。教育委員会としても、未来を担う子どもたちのために、区長と積極的に検討するといった度量が欲しいものです。区長と教育委員会のお考えをお聞かせください。 子どもにかかわる問題は、医療、保健福祉、そして、教育、健全育成など多岐にわたっております。また、青少年による犯罪の多発や児童虐待など、子どもに関する問題は深刻になってきており、従来の行政組織ではこうした問題に十分対応できなくなってきているとの指摘もあります。そのため、多くの自治体が類似事業の整理・統合や事業の体系化、また、住民にわかりやすい子どもの施策の推進を図っております。 厚生労働省の調査によれば、昨年4月以降から本年9月までの間に、子ども関連施策を担う組織を新設した市区町村は、全体の 5.4%となっております。今後さらに新設に向けての動きは高まってくることでしょう。 すでに統合を行っているそれぞれの自治体では、一貫した施策体系の中でより密接な連携、調整や新たな施設の企画が容易になり、市民ニーズへの的確な対応が可能になる。縦割り組織では、抜け落ちていた子育て支援策が組織統合で浮き彫りになった。また、教育委員会の一部を子ども部に統合した自治体では、学校との調整・連携が万全になり、学校施設を子どもの居場所づくりに有効に活用できるなど、数多くの効果が上がっております。 次世代育成に情熱的に取り組んでおられる区長だからこそ、そのリーダーシップを発揮して、少子化の時代、思い切った施策の展開を期待するものであります。 質問の第8は、今後の産業振興施策の展開についてであります。 新宿区は、中小企業振興の基本方針として、「新宿区産業振興戦略プラン」を平成14年度に策定し、「産業創造都市新宿」を目指して、産業振興施策の推進に取り組んでおられることは十分に承知をいたしております。 この戦略プランでは、中小企業を産業発展の重要な担い手と位置づけて、新宿区に立地する優位性を生かしたさまざまな中小企業の事業の独自性展開を支援することを、戦略の中心にとらえています。 平成14年度には、区立産業会館を開設し、産業振興の拠点として運営するとともに、平成15年度からは「中小企業活性化支援講座」を開催するなど、新規事業も実施しており、この点では、区の努力も一定の評価ができるものであります。 一方、戦略プランでは、既存産業の競争力を強化する観点から、新宿区の産業を支える地場産業の振興にも十分に力点を置くことが提言されています。私も、これまで新宿の産業を支えてきた地場の産業の重要性を忘れてはならないと考えます。 そこでお伺いいたします。戦略プランでも示されている地場産業の活性化について、今後の支援事業を具体的にどのように展開していくおつもりなのか、この点についてお伺いいたします。 これまで新宿区は、印刷・製本関連産業と、染色業を新宿区の産業を支える「地場産業」として位置づけ、昭和52年からさまざまな振興施策を実施してきました。この中で主な区主催事業としては、「地場産業表彰」や「地場産業展」を開催し、補助事業としては業界の自主的な取り組みを支援する「新製品開発や販路開拓事業への助成事業」を実施してきたわけです。 平成12年から平成16年度の5年間については、東京都から区に対する補助事業である「工業集積地域活性化支援事業」を活用して事業を実施し、一定の成果を上げてきたとのことであります。 そこで提案させていただきますが、都の補助事業が終了する平成17年度以降においても、区としては、今後こうした支援事業の中で効果の認められるものは、ぜひとも継続、発展させていくべきであると考えますが、区の方針をお伺いいたします。 元来、印刷・製本関連産業、染色業とともに都市型の地場産業であります。また、地場産業以外にも、近年では新宿の地の利を生かしたIT関連などソフトなものづくり産業が集積しているという実態もあります。 国や東京都の調査報告を見ても、新宿区内には 1,000を超えるIT関連の事業所が集積しているところということであります。まさに新宿区という町の特性を生かした産業集積が生まれてきているのであり、地場産業である印刷業の一部にも情報サービス産業化の傾向が見られることを認識すべきであります。 このような新宿の特色を生かした地場産業を含むものづくり産業のさらなる活性化のためにはこのような広い意味での「ソフトなものづくり産業」を含めた効果的な支援策が求められていると考えますが、区長の御所見をお伺いいたします。 さらに、こうした方向性は、先ほど報告された第四次実施計画中間のまとめの中にも、新宿区の産業実態把握や施策へのニーズに関する調査の実施などが盛り込まれておりますが、区としてはどのような方針でこうした実態把握を進めようとしているのか、その基本的な考え方をお聞かせください。 質問の第9は、区生涯学習財団のあり方についてであります。 地方自治法の改正により、文化・スポーツ施設などの公の施設について、民間事業者を含め、地方公共団体が指定するものに管理を代行させる「指定管理者制度」が導入され、既に本区でも、環境学習情報センターや区民保養所等で指定管理者が選定されています。 この制度により一番気がかりなことは、文化・スポーツ施設などの管理運営を区にかわって行っているいわゆる区の外郭団体がどうなるかということであります。 確かに指定管理者制度の導入の背景には、外郭団体の行政依存の体質や採算性の低さなどがあるものと思われます。しかし、公共の文化・スポーツ施設などは、広く区民の利用に供し、豊かな生涯学習社会の構築のためにつくられた施設であり、もともと収益を目的としたものではありません。委託料や補助金という形で、区民の税金を使っているわけですから、常に効率性と透明性を求められるのは当然ですが、公と民の性格をあわせ持った柔軟な組織として、これからますます財団を活用すべき面があると考えます。 このたび、生涯学習財団がまとめた「財団のあり方検討報告書」は、現時点での財団の目指す方向を的確に示すものとして評価をいたします。そこでお伺いいたします。 1点目は、この報告書について、教育委員会はどのような認識をお持ちなのか、2点目は、これからの生涯学習財団に対してどのような役割を期待し、その活動を支援されていくのか御見解をお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ◎区長(中山弘子) くまがい議員の御質問にお答えします。 最初に、次期基本構想と次期基本計画についてのお尋ねです。 私は、このたび、基本構想・基本計画が策定後10年を迎えていることから、新しい時代を見据え、多くの区民の皆さんとの参画と協働により、基本構想の見直しを行うとともに、次期基本計画を策定することとしました。 その進め方についてのお尋ねですが、検討に参加していただく区民の方から見れば、基本構想の内容となる新しい時代の新宿像を議論することや、基本計画の内容と言える今後の新宿区の向かうべき方向性や目標を検討することは一体のものであり、ここは基本構想、ここは基本計画というふうに切り分けられないのではないかと考えています。 このため、手続としては基本構想の議決を得てから基本計画を策定することとなりますが、その検討作業の段階では、2つを同時並行で行っていくことが現実に即しており、かつ効果的な議論の展開が期待できるものと考えています。 次に、基本構想の見直しの視点についてのお尋ねです。私は、現基本構想の基本理念については十分尊重されるべきものであると認識しており、これを基盤として21世紀前半の時代を特徴づけることとなる次の10年を展望し、区民の皆さんの積極的な議論が進む中で、より時代に合った基本構想が形づくられていくことを期待したいと思っています。 次に、将来を見据えた健全な財政運営についての御質問ですが、現在、平成17年度予算編成と同時進行で、第四次実施計画事業を固め、平成19年度までの3カ年の財政フレームを作成する作業に着手しています。 この前段として、8月に発表いたしました第四次実施計画の中間のまとめでは、3カ年の財源不足の見込みは概算で45億円となっていて、投資的経費の動向は平成19年度に向かって増加する傾向にあります。 したがって、平成17年度予算編成に当たっては、こうした傾向を正確にとらえ、需要が増大する年度への備えとして基金の残高を確保するなど一定の対応が必要と考えています。 そして、将来にわたり健全で持続可能な財政運営を担保していくために、特別区民税の滞納整理強化や、都区財政調整制度における主要5課題の解決など一般財源の確保を図ること。また、施設整備などには基金や起債を積極的に活用していくこと。さらに施策の重点化や行財政改革を着実に進め、限られた財源の効果的配分を不断に追及していくこと。これらに総合的に取り組むことを通して、柔軟性の高い持続可能な財政運営を目指してまいります。 次に、災害対策についてのお尋ねです。 まず、新潟県中越地震の教訓についてですが、この地震は、都市部から山間部にわたる広範囲で被害が発生したこと、そして、余震が極めて多かったことが特徴ですが、今後、被災状況を把握した上で、新宿区にも共通する問題点について、来年度修正する地域防災計画に反映させ、区の災害対策に生かしてまいります。 次に、防災区民組織についてのお尋ねですが、御指摘のとおり区内には 201の防災区民組織があり、各組織とも地域防災の核であるとの自覚を持ってさまざまな活動を行っています。区も防災訓練・講習会の開催や、活動助成金の交付を通じてその活動を支援しております。実際の災害時には、地域への救援や復興活動の先頭に立っていただけるものと期待をしております。 次に、情報収集と伝達についてのお尋ねです。区では、区民への情報伝達方法として、停電時でも使用可能な屋外拡声子局、防災ラジオ、地域防災無線を使用し、また、情報の収集手段としては、地域防災無線や広報車等を使用するほか、地域派遣職員や消防団員、消防署員、警察署員から情報収集を行うこととしています。 また、区民の皆さんには、テレビ、ラジオからの情報の入手や、災害伝言ダイヤル171の利用などについて啓発活動を進めています。 次に、災害時要援護者に対する救援の具体策についてのお尋ねです。災害時要援護者名簿に登録された情報は、地域の防災区民組織のほか、消防署、警察署、民生委員に提供し、避難が必要となった場合には、これらの機関が避難の援助を行います。また、防災区民組織には、名簿に登録されていない方も含め災害時に援助が必要な方を把握し、災害時には地域の方々が連携して援助できる体制をとるようお願いしています。 なお、11月22日に災害時に聴覚障害者に対する支援を行うため、手話通訳者を避難所に派遣する協定を、手話通訳者団体等と締結いたしました。 次に、夜間の防災訓練についてのお尋ねです。現在、区の防災訓練は住民が参加しやすいように日曜日の午前中に実施しています。しかし、区としてもできるだけ実際に即した訓練を行うべきと考えており、住民の協力を得ながら夜間も含め、さまざまな時間帯での防災訓練の実施を検討してまいります。 次に、避難場所や避難所の周知を徹底すべきとのお尋ねです。広域避難場所や避難所についてには、区民向け啓発用地図やホームページなどで周知に努めていますが、今後も区広報紙を活用するなど、避難所等の周知徹底を図ってまいります。また、標識についてですが、現在、NPOとの協働により、避難所、避難場所の標識を更新、拡充することを検討していますので、その中で絵文字を活用し、区民にわかりやすい標識を検討してまいります。 次に、避難所機能の充実についてのお尋ねですが、避難所の自主運営組織である避難所運営管理協議会の活性化、そして、住民の利便性を考慮した避難所専用備蓄倉庫や、下水道利用型災害用トイレの設置を進めることで、避難所の機能充実に努めてまいります。 次に、特別区災害時相互協力及び相互支援についてのお尋ねです。この協定は、災害を受けた区が被災区独自では十分な対策等が実施できない場合に、被災を免れた区あるいは被災が軽微な区が連携して支援を行うものです。 職員の派遣は、被災区からの要請に基づき、特別区支援対策本部が調整して、支援区に派遣要請を行います。御提案の区内在住の他区職員を応援職員として定めておくことについては、阪神・淡路大震災のときに特別区防災担当課長会で検討した経緯がありますが、現実には厳しいという結論に達しました。 そういう中で、現在の特別区災害時相互協力及び相互支援に関する協定を締結した次第ですが、今回の新潟県中越地震での教訓も踏まえ、今後さらに検討してまいります。 次に、神田川の治水対策についてのお尋ねです。現在、東京都による河川改修工事が進められており、おおむね時間50ミリ程度の降雨には対応できるようになっています。しかしながら、より強い降雨に対応するためには河川改修を促進していくとともに、下水道幹線や環状7号線地下調節池のような貯留施設の整備が必要と考えています。 現在、東京都とは協議を行っているところですが、今後も継続的に早期対応を働きかけてまいります。また水位等の情報については、その警報システムの更新を計画中であり、従来のサイレン吹鳴だけでなく、音声による広報も可能なシステム導入を検討しています。今後ともよりきめ細かな情報提供に努めてまいります。 次に、介護保険制度の見直しについてのお尋ねです。 第1の質問は、介護保険事業の将来像についてです。介護保険は、施行5年を経てサービス利用もふえ、区民の間に着実に定着してきましたが、給付の増加に伴う保険料の高騰が危惧されています。 また、今後の高齢者介護については、軽度の要介護認定者、痴呆性高齢者や単身高齢者の増加に対応し、総合的な介護予防システムづくりや、地域ぐるみのケア体制づくりが重要と考えております。 さらに、今後到来する超高齢社会において、区民一人ひとりができる限り健康で活動的な生活を送ることが大切です。その意味で介護保険制度は、現在だけでなく将来にわたって、新宿区の高齢者やその家族が生涯の生活設計を行う上で重要な柱の一つとして、頼れる制度として機能し続けるものでなければならないと考えております。 次に、介護サービス基盤整備についてのお尋ねです。御指摘のとおり小規模・多機能型のサービスは、高齢者が住みなれた地域で暮らし続けるための重要なサービスの一つであると認識しております。 現在、介護保険制度の見直しの中で、これまで介護保険のメニューに含まれていなかった小規模・多機能型サービスが新たに提案されております。区としては、第四次実施計画中間のまとめでお示ししたとおり、今後、国から示されるサービスの詳細を踏まえて、小規模・多機能型サービスの整備に向けて積極的に取り組んでまいります。 次に、軽度者への給付についてのお尋ねです。新・予防給付は、要支援、要介護1程度までの高齢者を対象として、介護予防マネジメントのもと、介護予防に効果的なサービスを創設するものです。 新・予防給付サービスについては、国において、介護予防の観点から有効性が検証されたメニューを導入する方向で検討されています。この新・予防給付は、必要なサービスを一方的・一律に切り下げるものではなく、できる限り在宅で自立した日常生活を継続できるようにするサービスの質的な転換を目指すものであると考えています。 次に、保険料の改定と低所得者対策についてのお尋ねです。まず、介護保険料上昇の危惧への対応についての御質問です。介護保険制度は、社会全体で支え合う社会保険制度であるため、負担と給付との均衡のもとで運営されています。また、制度上、サービス利用が増大しても、一般財源の投入は行わず、保険財源の中での運営が求められています。 そのため、給付費の増加は保険料を押し上げることになりますので、適正な給付と負担のバランスを図ることが重要です。 区としては、介護予防対策や適正利用の推進などに積極的に取り組み、サービス給付とのバランスをとりながら事業運営していくことが必要であると考えています。 次に、保険料の低所得者対策についてのお尋ねです。第2期の保険料は、6段階に設定し、第2段階の負担割合を0.05引き下げるとともに、第2段階で一定条件に該当する方については個別減額を実施し、低所得者の方の負担の軽減を図ってきたところです。 今回国は、第2段階をさらに2つに区分し、保険料の負担能力の低い層を第1段階と同じ保険料額とする方向を打ち出しています。また、第4段階以上については、保険者で細分化も可能としています。 区においても、国の方針に基づき、第3期保険期間でのきめ細かい保険料の設定を検討していきたいと考えています。 次に、介護保険施設の居住費用や食費に関する低所得者への対応についてのお尋ねです。今回の制度見直しによって、年金給付と介護保険給付の機能調整、在宅と施設の間の利用者負担の不均衡を是正する観点から、居住費用や食費については保険給付の対象外とする方向です。しかし、保険料段階が第1段階、新第2段階、新第3段階に該当するものに対しては、負担を軽減する仕組みが検討されています。 具体的には個室及び多床室とも基礎年金で支払い可能な額を負担上限額として設定し、それ以上の負担が生じないように検討されていますので配慮されていると考えております。 次に、総合的な介護予防システムの確立についてのお尋ねです。個々の高齢者に合った介護予防プランの提供は、対象者のニーズ・状況などに関する的確なアセスメントを行い、サービスの結果に対する適切な評価が必要です。また、要介護状態になる前の段階から、統一的な体系に基づく連続的・効果的な介護予防サービスを提供する総合的なシステムも必要とされています。 そして、このような取り組みを通じ、要介護者の増加及び重度化が少しでも抑制されることが重要と考えています。そのために、地域において「総合相談や介護予防マネジメント及び包括的・継続的なマネジメント」の拠点となる地域包括支援センターを整備し、個々の高齢者に合った効果的な介護予防対策を推進してまいります。 次に、サービスの質の確保についてのお尋ねです。自立支援を目指した効果的なケアマネジメントの実施のためには、中核的な役割を担う人材の育成や、介護支援専門員の専門性、資質の向上などが必要です。このため区では、これまで適正なケアプランの普及のために、ケアプラン指導チームの運営や、基幹型在宅介護支援センターを通じたケアマネジャーの支援や研修などを行ってきたところです。 国においては今回の見直しの中で、介護支援専門員を支える仕組みとして、新たな生涯研修体系の構築などを検討しています。区としてはこのような取り組みとともに、サービス業者の適正なサービス提供も重要と考えております。そのため、介護サービス事業者協議会の研修などへの支援を行い、事業者自身によるサービスの質の向上を促してまいります。 次に、高齢者のいきがい・健康づくりについてのお尋ねです。 まず、「高齢者が輝くまちづくり」事業について、予算編成の中でどう重点化を図ろうとしているかとのお尋ねです。御指摘のとおり、介護保険制度等を財政上も安定して継続していけるようにするためには、だれもがいきがいと健康づくりに取り組み、積極的に社会参加することを通じて、できるだけ健康寿命を延ばすことが必要です。 それには、だれもが役割を持ちながら、軽い負担で楽しく取り組める継続しやすい活動を地域の中に広げていくことが必要です。「高齢者が輝くまちづくり」事業の意図は、今後、このような活動を支援しようとするものであり、従来のいきいき福祉大作戦にウォーキング事業を加え、さらに今後の社会参加システムを探るために協議会を立ち上げるものであり、第四次実施計画の重点項目事業として位置づけています。 次に、東京都老人総合研究所の検討会報告書との関連についてのお尋ねです。検討会報告書では御指摘のとおり、痴呆予防として地域型痴呆予防プログラムの展開と、健康いきがい活動のための地域づくりを大きな柱にしています。そして、健康づくりやいきがいを目的とした活動を促進することで、結果的に痴呆を予防していくべきであるとしています。具体的な取り組みとしてはウォーキングを取り上げています。これらは区が考えてきた取り組みの方向と軌を一にするものです。 したがって、今後とも東京都老人総合研究所の検討会報告書の趣旨を参考にしながら、高齢者のいきがいと健康づくりに取り組んでまいりたいと考えています。 次に、今年度新たに社会福祉協議会に推進員を配置した「ふれあい・いきいきサロン」の状況と評価についてのお尋ねです。 だれもが参加しやすい緩やかな仲間づくりの活動である「ふれあい・いきいきサロン」は、高齢者などの社会参加を促進する効果的な活動と考えています。平成15年度末には10サロンでしたが、推進員を配置した本年の10月末には18にまでふえています。 ふれあい・いきいきサロンの活動形態は、いきがいや健康づくりという面で、先ほどの東京都老人総合研究所の考えにも通じるものであり、今後一層の発展を期待しています。 次に、ファシリテーターの育成についてのお尋ねです。ファシリテーターは地域型痴呆予防プログラムを実施する際の進行役です。このプログラムを広く普及していくために重要な存在であり、区民の皆さんにその趣旨をお伝えし、協力を求めて育成していきたいと考えています。 次に、次世代育成支援計画についてのお尋ねです。 まず、在宅子育て家庭への施策についてお答えします。新宿区を「子育てしやすいまち」にしていくためには、子育てと仕事の両立支援だけでなく、在宅で子育てをしている家庭へのバランスのとれた支援を通し、すべての子育て家庭を支援していくことが必要なことは、御指摘のとおりです。 次世代育成支援計画案の中では、このような在宅子育て支援のため、児童館、子ども家庭支援センターなど、乳幼児親子が専用または優先して集える場の整備や、一時保育の充実のほか、北山伏子育て支援協働モデル事業のような、地域全体で子育てを支援していく仕組みの充実を図っていきたいと考えています。 次に、「いっとき保育」施設の拡充に積極的に取り組むべきとのお尋ねです。「新宿区次世代育成支援に関する調査」においても、身近なところで短時間、子どもを預かる一時預かりサービスを多くの方が望んでおられました。 そのため、平成17年度より地域子育て支援センターふたばで、「ひろば型一時保育」を開始します。また、次世代育成支援計画案では、平成21年度までに「保育園専用室型」の一時保育を富久町保育園と原町みゆき保育園に加え、新たに2カ所で実施するほか、「ひろば型一時保育」もさらに2カ所で開始を予定しております。 なお、事由のいかんにかかわらずいつでも気軽に利用できる一時保育は、今後ますます重要と考えていますので、充実を図ってまいりたいと考えています。 次に、旧北山伏保育園を活用して、子育て支援事業として行っているひろば事業を検証しながら、さらに拡大すべきではないかとのお尋ねです。「北山伏子育て支援協働モデル事業」については、この10月から「ゆったり~の」として事業を開始しました。ここでは、子育てカフェなど、区民の皆さんの発想が生きた事業が多くのボランティアに支えられながら行われ、利用者も増加しています。今後、この事業をさらに検証し、地域における子育て支援の拠点づくりの充実を図ってまいります。 次に、経済的支援について、新宿区次世代育成支援計画の中でどのように反映されているのかとのお尋ねです。御指摘のとおり、「新宿区次世代育成支援に関する調査」において、「子育て支援事業に望むことは何ですか」との問いに対し、「児童手当の拡充、税金の軽減などの経済的援助」との答えが第1位となっております。 区民の要望が高く少子化の要因の一つとなっている子育てにかかる経済的負担感の緩和は、次世代育成支援対策の大きな課題ととらえております。子育て家庭への経済的支援は、基本的には国の役割と認識しておりますが、今後、国や都との役割分担も踏まえながら、子育ての負担感解消につながる効果的な施策の具体化について検討してまいります。 次に、中学生を持つ家庭に対する経済的支援策についてです。子育て世代においては、教育に伴う経済的負担感の増大が指摘されており、中学生をお持ちの御家庭においても例外ではないと認識しております。 したがって、御指摘の点についても、子育てに対する経済的支援策全体の中で同様に検討してまいります。 次に、子育て支援の中心拠点として、子ども家庭支援センターの強化が必要ではないかとのお尋ねです。 御指摘のとおり、区内に子どもにかかわる相談窓口やサービス提供機関は多くあります。子ども家庭支援センターは、そのネットワークの中心として関係機関相互の連携や情報の提供など、地域における子どもと家庭を総合的に支援しています。 平成17年度からは、子育て支援総合コーディネート事業を実施し、多様な子育てサービス情報の把握と提供、ケースマネジメント、利用の援助等を行い、支援を必要とする人に、さらにきめ細かに対応してまいります。 また、保健センターの母子保健事業と連携を図りつつ、育児支援家庭訪問事業を実施し、養育者にとっても過重な負担のかかる出産後間もない時期に、自宅で育児や家事の援助を行う産後支援ヘルパー等の派遣や、子ども家庭支援ワーカーや児童指導員の訪問による相談など、子育て支援の中心拠点としての機能を強化します。 御提案のあった学校跡地を活用した「大きな子育てひろば」についても、子どもの成長や子育て支援にとって大変重要なものと受けとめ、次世代育成支援計画案の中でも、四谷第四小学校跡地について、地域との協働による子どもから高齢者までだれもが気軽に集い、話し、遊び、交流できる地域のひろばとして、その実現を目指しています。 次に、子ども行政の統合についてのお尋ねです。 御指摘のとおり、本年4月に高齢者のための施策を効果的かつ効率的に推進していくために、健康部を創設いたしました。 今回の条例提案では、来年4月から総務部所管の青少年健全育成事業を福祉部に移管しますが、次のステップとしては、子どもにかかわる組織の一本化が必要と考えております。 今後、医療保険制度などの抜本的な改革が予想され、新たな組織の再編が必要になってきますので、そうした時期をとらえ検討を進めてまいります。 次に、子ども行政の統合について、教育委員会と検討してほしいとのことですが、御指摘のように、子どもにかかわる行政は多岐にわたっており、その上、区長部局と教育委員会が類似の事業や相互に関連する事業を別々に行うなど、区民から見てわかりづらいものとなっています。 そのため、子ども施策の推進に当たって関係部局との連携や総合化を進めるとともに、そうした施策運営を効果的なものとする組織の検討が必要です。次世代育成支援計画でも、次世代育成支援を総合的に推進する組織や、就学前の子どもの教育・保育のあり方について、総合的・多角的な視点から検討する体制が必要としています。 今後は、教育委員会とも十分協議し、子どもに関する施策を総合的、効果的に推進していくための体制整備について検討してまいります。 次に、地場産業の活性化についてのお尋ねです。 区は、昭和52年から印刷・製本関連産業と染色業を新宿の地場産業として位置づけて支援を行ってきました。また、御指摘のように、平成14年度に策定した「新宿区産業振興戦略プラン」においても、新宿区の産業を支え、文化や伝統を担う重要な産業として、地場産業の活性化を重要な戦略課題として明確化し、さまざまな支援事業を展開してきました。 一方、地場産業を取り巻く社会環境が変化するとともに、印刷業の目覚しいIT化や、情報産業化の動きが顕著になるなど、技術革新や経済社会情勢の変化に伴い、地場産業を支える企業の活動にも大きな変化が見られます。 したがって、区の支援施策も、これまでの支援事業の実績や効果を十分に踏まえた上で、地場産業の置かれた現状や産業実態に合わせて見直しを行い、より効果的で活用しやすい事業内容に改善していく必要があります。 このため、区としては、今後、新宿の産業実態の把握に努めるとともに、地場産業を支える関係者の方々の声や学識経験者等の意見等も十分にお聞きしながら、企業や業界団体の自主性や独自性を引き出す方向を目指して、効果的で効率的な地場産業の活性化支援策を検討し、着実に展開していきたいと考えています。 次に、地場産業支援策の継続・発展についてのお尋ねです。区は、地場産業支援策の一環として、平成12年度から平成16年度までの5年間、東京都の補助事業を活用した「工業集積活性化支援事業」を実施してきました。 この支援事業を活用した企業や団体の取り組みの中には、地場産業製品の新たな販路開拓や製品開発を行い、成果を上げている事例も見られます。このため、区としてもさらに事業効果を高めるような内容や方法を工夫した上で、今後も引き続きこうした地場産業への支援事業を継続・発展させていく方向で検討を進めてまいります。 次に、「ものづくり産業」に対する支援策についてのお尋ねです。御指摘のように、新宿には地場産業である印刷製本関連産業、染色業というものづくり産業以外にも、新宿の地の利を生かした、IT関連などを含む「ソフトなものづくり産業」の集積が近年見られるようになっています。 また、印刷業の一部では、近年、高度なIT技術を駆使した印刷や、マーケティングとチラシ印刷の複合的なサービス提供等、情報サービス産業の要素が強いビジネスも展開されています。 こうしたことからも、今後、新宿の地場産業がさらに活性化していくためには、従来の業種の枠にとらわれない新たなビジネス展開や、異業種交流の促進が求められているものと認識しています。 このため、区としても新宿の産業実態に即した効果的な産業振興施策の展開を図る観点から、従来の製造業の枠を超えて、「ソフトなものづくり産業」にまで視野を広げた「ものづくり支援」のあり方について、今後十分に検討を進めていきたいと考えています。 次に、「新宿の産業実態把握」等についてのお尋ねです。 新宿には新宿の地の利を生かしたさまざまな産業が集積し、活発に経済活動を展開していますが、そのあり方は、社会経済情勢の変化等に伴い変遷を遂げています。こうした産業構造の変化を正しく把握することは、産業振興を効果的に進める上で重要な取り組みであり、今後、産業実態の把握を行い、新宿の産業構造の全体像を総合的に把握したいと考えています。 また、今後の産業振興施策において、支援すべき産業界の実情や、最も効果的な支援方法を検討する材料として、区の産業施策へのニーズ等に関する調査をあわせて実施する予定です。これらの調査の実施方法等については、今後学識経験者、産業調査や分析の専門家の意見やアドバイスを生かしながら、さらには区内産業界の関係者からも十分に御意見をいただき検討した上で決定してまいります。 また、産業界の現場の生の声を十分に集めるため、区の担当職員が業界や企業ヒアリングに直接出向くなど、効果的かつ効率的な調査となるよう工夫してまいります。 いずれにしても、今後、調査対象や調査方法を決定する際には、新宿の産業構造の特色を踏まえた適切な実施方法を採用する必要がありますので、調査の費用対効果等についても考慮した上で、最も効果的かつ効率的な手法で実施したいと考えています。 以上で私の答弁を終わります。 ◎教育長(山﨑輝雄) 教育委員会への御質問にお答えをいたします。 まず、子ども行政を一体的に推進する体制整備についてのお尋ねです。 教育委員会は、次世代育成支援計画の策定や、幼稚園、保育園の連携・一元化などの取り組みの中で、幼児教育の分野では区長部局との新たな連携関係が求められていると認識しております。 とりわけ、幼児期においては、発達段階に応じて生活や学びの連続性を踏まえた体験が豊富に得られる教育環境の充実が必要であります。 そうした観点から、総合的な視野に立った幼児教育のあり方を検討し、効果的な施策展開にふさわしい組織を構築することが肝要と考えます。 今後は、区長部局とも十分に協議し、子どもたちの健やかな成長を願い、子どもたちの視点に立った施策を活発に展開していくための総合的な体制整備について検討してまいります。 次に、区生涯学習財団のあり方についての御質問にお答えをいたします。 まず、財団のあり方検討報告書に関してですが、この報告書は、指定管理者制度導入を視野に入れつつ、激変する社会環境に即応し、今後、どう使命を果たしていくかを財団がみずからまとめたものです。 財団設立目的の原点に立った具体的な検証がなされており、財団の持つ機動力と柔軟性、迅速性とを生かして、行政では十分カバーし切れない分野のサービスについて補完し、さらに発展させていく方向性が示されております。 また、これまでの行政への高い依存や採算性の低さといった体質からの脱却を目指す、いわば財団としての決意表明であると認識し、その意欲を評価しております。 次に、今後の区生涯学習財団に期待する役割と活動への支援に関してです。指定管理者制度の導入に伴い、これからの生涯学習振興施策は、教育委員会と区生涯学習財団及び指定管理者の3者の連携によって進めることになります。その中で、財団には、事業運営の面で、特に財団の築いてきた実績と信頼性を生かし、区民との協働を醸成し、広く区民の利便に供する事業展開を期待します。このことから、これまで以上の緊密な連携を図ってまいります。 また、財団による管理運営代行が、より適切な施設については財団が指定管理者となることもあり得ると考えます。そのためには、財団の自主性と自立性の確保に向け、経営改善のための支援を行います。 以上で答弁を終わらせていただきます。 ◆13番(くまがい澄子) 自席より発言をいたします。 ただいまは区長並びに教育委員会から丁寧な御答弁をいただき、まことにありがとうございました。 私は今回、少子高齢社会を目前にして重点的に質問をさせていただきました。緊急課題であるだけに、平成17年度予算にどう重点化されていくか大いに期待をいたしておりますので、区長の英断を求めて質問を終わらせていただきます。 大変にありがとうございました。(拍手) ○議長(山添巖) ここで議事進行の都合により15分間休憩します。 △休憩 午後4時50分 --------------------------------- △再開 午後5時10分 ○議長(山添巖) ただいまから、会議を再開します。 質問を続行します。 4番吉住健一議員。          〔4番 吉住健一議員登壇、拍手〕 ◆4番(吉住健一) 私は、自由民主党区議会議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。何とぞ誠意ある御答弁をお願いいたします。 ことしは、自然災害の恐ろしさを目の当たりにさせられた年でした。観測史上の多くの記録を塗りかえた真夏の猛暑、史上最多の10回も台風が上陸をいたしました。そして、台風22号と23号の傷跡がいえぬうちに見舞われた新潟県中越地震は、建物や人間の被害にとどまらず、山や川といった大自然をも破壊する大災害となりました。 これから本格的な寒さや大雪を迎える中で、いまだ復旧を待つ方々の暮らしに思いをはせると、何かしなくてはという気持ちにかられます。この場をおかりしまして、亡くなられた方の御冥福と被災されている方にお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈り申し上げます。 新宿区におきましても、災害地への迅速な支援を行い、自治体間協力の体制をしっかりととられたことには敬意を表したいと思います。また、区の職員の皆さんが義援金をカンパし、送金されたことをニュースで拝見したときには、本当に感銘を受けました。 地方自治体は国に頼るだけではなく、自治体間での連携を強めることによって、お互いに支え合い、自治体としての自立性を高めていくことになるのではと思います。 私ども自由民主党としましても、武部勤中越地震緊急対策本部長を中心に、政党として、政治家として、あらゆる機会をとらえて協力をさせていただきたいと思っております。 一方、うれしいニュースもありました。大リーグにおけるイチロー選手の活躍であります。84年間破られなかった年間最多安打記録を更新したことであります。アメリカじゅうがこの記録達成に興奮したことは、この記録がいかに偉大であるかを示しています。 また、記録の結果はもとより、結果を出すためになされたイチロー選手の工夫と努力の過程に注目し、評価をしなくてはならないと思います。技術面の練習はもちろんのこと、バットの構え方、バットの位置、足の位置など細かい点まで工夫を重ね、速球にも変化球にも対応できる打撃フォームを身につけての記録達成でした。 この技術を磨いた姿勢は、私たちの先輩たちが思考・修練の積み重ねにより製造業での金型技術を習得し、ものづくりの名を世界に広め、品質のよさを世界に認めさせたこととどこか共通するものを感じるところがあります。 この姿勢こそ日本で生きていくにしても、国際社会で羽ばたいていくにしても大切なことではないでしょうか。自由と気ままの境目がなくなってきた今日ではございますが、次代を担う青少年にこの姿勢を大切にしてもらいたいものであります。 以上、自分自身にも言い聞かせながら質問に移らせていただきます。 最初に、第四次実施計画について伺います。 平成9年3月に新時代の新宿像、「ともに生き集うまち」、「ともに考えつくるまち」を視点とした基本構想が策定され、その実現に向けて平成10年から平成19年までを計画期間とする基本計画が策定されました。そしてその後に、社会の著しい変化や制度の大幅な改正があり、平成15年にはその基本計画が見直され、後期基本計画が策定されて、現在まで新宿像の実現を目指してきました。 その目指す新宿像の実現も最終段階に入り、現在、平成17年から平成19年までを計画期間とする総仕上げの実施計画、第四次実施計画の策定作業が進められております。この8月には、その中間のまとめが示され、広く区民の意見を募り、今月11日までには地域の意見を区長みずからが聞いてこられました。まさに、中間のまとめの中にある3つの区政運営方針にある、1、現場・現実の重視、2、区政の透明性の向上、3、協働の実践、がなされており、評価できるものだと思います。 中間のまとめでは4つの課題として、1、新しい時代を担う子ども育成、2、高齢者、障害者などだれもが生き生きと暮らせる地域社会づくり、3、安全で快適な文化の薫るまちづくり、4として、柔軟で多様な開かれた参画システムの構築、を設定し、さらに20の重点項目が取り上げられていました。 これらの課題や重点項目は、いずれも新宿像をつくり上げていく上で欠かせないものであり、その実現が待たれるところでありますが、その実現には今後の行政努力が強く求められている計画のようにも思われます。 これまでの計画は、施設の建設、行事の実施というように内容が具体的なものが多く、計画を見ればある程度の将来像が想像できました。今回示された計画は、課題4の柔軟で多様な開かれた参画システムの構築が典型的なように、制度のあり方や事業の実施方法などの抽象的な内容の濃い計画となっており、計画を見ただけでは将来像が理解できにくいように思われます。 この傾向は、現在の財政状況や社会状況の進みぐあいからして無理からぬことと思っております。それだけにこの計画の実現には、事業の執行に当たる職員の役割が非常に重要だと思われます。区長も計画の「はじめに」という部分で、行政が、そして職員が変わらなければなりませんと述べられているところであります。 行政の長たる区長にとりましても大変な役割を果たされることになりますが、それを承知であえて計画された区長の決意に、改めて敬意を表すると同時に、区長の方針をしっかりと支持していくつもりであります。どうか職員の皆さんと力を合わせて計画を実現させていただきたいと思います。 そこで区長にお聞きします1点目は、中間のまとめに対して寄せられた区民の意見はどのようなものであったか、概略で結構ですのでお聞かせください。 2点目は、この計画を進めていくに当たっては職員の意識改革が非常に重要だと思われます。それについては、第二次行財政改革計画中間のまとめに若干触れられていますが、職員のあり方、意識改革についてどのように指導をしていかれるのか具体的にお示しください。 次に、都区財政調整制度の主要5課題についてお伺いいたします。 平成12年度の制度改革により、特別区は法律の上でも基礎的自治体として明確に位置づけられました。そして、特別区と東京都との関係も対等な関係となりました。そのことは、必然的に都区財政調整制度の変更を伴うこととなり、都と区の間で協議が行われました。しかし、清掃事業従事職員の身分移管が平成18年度にずれ込んだこともあり、全面解決には至らず5つの協議課題を設定して、平成17年度まで協議を続けることで合意をしておりました。 5課題とは、1、都区の役割分担を踏まえた財源配分のあり方、2、特別区の財源配分に反映されていない清掃関連経費の取り扱い、3、小・中学校改築需要急増への対応、4、都区双方の都市計画事業の実施状況に見合った都市計画税の配分、5、平成17年度までに大きな制度改革等があった場合の財源配分の変更、の5つであります。 そして、昨年3月には3つの都区検討会を設け、検討が続けられているようですが、その検討は難航しているやに伺っております。しかし、平成18年度実施に向けての検討期間は長くは残されていません。これからの都との協議は困難を伴うことでしょうが、特別区の役割を明確にするためにも健闘を期待したいところであります。 主要5課題の中でも最も重要な項目は、都区の役割分担を踏まえた財源配分のあり方であります。平成16年度の財源配分は調整3税だけで見ても、東京都が48%、約 7,000億円であるのに比べまして、特別区には52%、約 8,000億円となっております。 そして、都が行う大都市行政の一環として行っている部分については、その事業量も必要経費も明らかにされていません。平成12年度の制度改革で特別区が基礎的自治体になった現在では、第一義的な市町村事務は特別区が担うものであり、都が行う事務事業は大都市行政の一環として特例的に行うものであると言えます。 そういった議論をもとに都が行う事務事業の事務量、経費について明確にした上で都区配分を決めるべきであります。しかも調整財源である特別区民税法人分、固定資産税、特別土地保有税は、もともと特別区の税金であります。このことからも都が大都市行政の一環として行う特別区事務事業の算定額は明確にするべきであります。 しかしながら、現在、東京都が行っている事務事業で、これは本来特別区の事務事業である、これは本来東京都の事務事業であると明確に区分することは、そう簡単にできるものでもありません。とはいうものの、この都区の役割分担ははっきりさせなくてはなりません。ここは区長会に頑張ってもらわなくてはなりませんし、そのメンバーでもある中山区長にも御奮闘をお願いしたいところであります。 また、区政の一端を担っている我々も議長会を先頭に、区長会とともに頑張っていく覚悟であります。その意味で区長と同じ立場にいるものとして、また恐らく同じ考えを持つ者として区長に期待し、協力の気持ちを込めてお伺いいたします。 この主要5課題に対する区長の考え方、そして特別区長会の一員として東京都に主張していく意気込みのほどをお尋ねいたします。 中山区長には、単に23区の1つの区ではなく、23区を牽引していくほどの力を発揮していただけるであろうと期待をしていることを申し添えまして、次の質問に移らせていただきます。 第3の質問は、区有財産の有効活用について、区長と教育委員会に伺います。 新宿区は多くの財産を有しています。土地、建物に限ってみても平成15年度末で土地が約104 万平米、評価額は約 4,300億円、建物が約60万平米、評価額は約 1,300億円もあります。そのほとんどは行政財産であり、行政上有効に使用されていることは言うまでもないことと存じます。 しかし、これらの中には数十年前から同じ土地、同じ建物、しかも同じ目的で使用されているものもあります。その間に区の置かれた状況は社会の変化、区民の価値観、年齢構成、施設に対する要求等さまざまに変化し、その施設が当初の使用目的に必ずしも適合しなくなっているものもあるのではないかと思われます。区としてもその状況に応じて使用目的を変更するなり、廃止するなりの対策は講じられており、その対応は評価しているところであります。 そこでもう少し詳しく分析をしていきたいと思います。まず、さきの土地・建物の中の普通財産が、土地で約7万平米、建物で約1万 7,000平米あります。この中には職員住宅のようにもともと普通財産として使用されることを目的としているものもあります。また、既に貸し付けや一時使用として利用されており、全く未利用になっているものはないのかもしれませんが、その利用がどのような状況かが必ずしもわかっておりません。 もし、未利用のままのものや一時貸与のものがあれば、それは今後どのように活用していくかが問われることだと思います。その活用方法は、一定の収入を得る方法もあるでしょうし、区民の直接利用に供することも考えられるでしょうし、そのほかにも有効な利用方法があることでしょう。 旧淀橋第二小学校跡地の土地信託利用、旧淀橋第三小学校跡地の文化団体への貸与、旧牛込原町小学校及び四谷第二中学校跡地の校庭跡地の福祉施設利用などは、適切な活用方法であると評価していますが、このように周辺環境をも考慮して利用することは大変結構なことと思います。 教育委員会の大変な御苦労により、今後も四谷第三小学校、四谷第四小学校及び戸山、東戸山中学校の跡地が見込まれます。所在地といい、そしてその面積といい、この4校だけでも約3万平米の土地がございますが、立地条件もよく利用価値も大変高いものでございます。それだけに活用方法の検討にも苦労が伴うものと思いますし、卒業生や地域の関係者の思い入れもあると思います。学校であったその場所のイメージを損ねないことなど、多くの制約もあると思いますが、第二次行財政改革計画中間のまとめで主要なことについては触れられていますが、これらの土地は区民の貴重な財産であり、区民のために有効に活用されるようだれしもが願っていることは間違いありません。 行政財産の廃止が予想されるものについては、できるだけ速やかに事後の活用が図れるよう事前にその活用方法を検討していくことも必要なことであります。 そこで、区長にお伺いしたいことは、現在の区有財産の活用はどのようになされているのか、また、今後はどのようにして活用していくおつもりか、その考えをお聞かせください。 この項の2点目は、教育委員会に小・中学校の余裕教室の使用についてお伺いします。今年度と10年前の7年度について、小・中学校の学級数と教室数を比べてみますと、小学校が今年度 283学級、平成7年度は 354学級で71学級の減、教室数は今年度 595教室、平成7年度は 745教室で 150教室の減、中学校では学級数が、今年度が96学級、平成7年度は 136学級で40学級の減となっております。教室数の方は今年度が 308教室、平成7年度は 426教室で 118教室の減となっております。 平成7年度から今年度までに小・中学校で統廃合が行われましたので、単純な比較はできませんが、この間の校舎の新設は花園小学校と西新宿中学校であり、そのほかは校舎の内部改修等はあったにしても、さほど大きな改修はなかったと思います。したがって、総体的には現在使用されている校舎の教室数には大きな変化はないと思います。 そこで教室を普通教室と特別教室について見ますと、普通教室は学級数が減少していますので当然に減となっていますが、特別教室は小・中学校ともに学級数が減っているにもかかわらずふえております。 これは学級数が減少するにつれ余裕教室が生じ、それらが特別教室として使用されているということだと思います。では、1学級当たりの教室数はどうかと見てみますと、平成7年度においては平均で、小学校で 2.1教室、中学校で 3.1教室であり、今年度は平均で小学校2.1 教室、中学校 3.2教室となっておりますので、ほぼ同じであります。 しかし、学校別で見ていきますとかなり偏りが出てまいります。今年度、小学校で少ないところは 1.4教室、多いところは 3.8教室となっております。中学校では少ないところで2.4 教室、多いところで 4.6教室となっております。私はこの開きをおかしいとは申しません。学校が余裕教室を自主的に有効活用されることは結構なことでありますし、余裕教室を学校教育以外の目的に使用することも意義あることだと思っております。 現に災害時のための備蓄倉庫、地域の会議室に開放、また、東戸山小学校では高齢者のためのデイサービス施設に利用されています。このように学校教育以外にも利用することも考えながらの活用があってもいいのではないかと思います。学校施設の利用には、文部科学省の制約もありますでしょうが、このところ国もかなり柔軟になってきておりますので、その意思があれば可能ではないかと思います。 そこで教育委員会にお聞きしたいのは、余裕教室の使用について教育委員会として何らかの方針をお持ちでしょうか。教育委員会のお考えをお聞かせください。また、学校施設以外に利用することについての考えもあわせてお聞かせください。 4点目として、区民意識調査についてお伺いいたします。 毎年実施されている区民意識調査の今年度、平成16年度の速報版が先月発表されました。その内容の幾つかを見ますと、まず施策への要望では、1位「防犯・地域安全対策」38%、2位「高齢者福祉の充実」35%の順で、3位の「ホームレス対策」15%を大きく離して関心の高さを示しています。 しかし、前年度との比較で見ますと、今挙げた3項目はいずれもその比率が下がっています。これに対して比率が上がったものは、「環境美化対策」、「緑化推進・公園の整備」、「公害対策」、「道路・交通対策」等の環境に関する項目であり、また、「子育て支援」、「学校教育の充実」等子育てに関する項目であります。子育て支援の項目は平成14年度に新設された項目ですが、昨年度の 8.1%の9位から12.6%と大きく伸び、今年度初めて5位になりました。この子育て支援は注目すべき課題だと思います。 また、このように区民の意識も少しずつ将来に目を向けた傾向が出ているように思われます。これらの要望事項は、いずれも第四次実施計画の中にも取り入れられていくことでしょうし、改めて申し上げることはありません。特に、子育て支援については、区長は就任当時から力を入れてこられていますし、そのことは次世代育成支援計画の取りまとめにもあらわれているところであります。 また、施策への要望について年度間の推移を見ますと、高齢者福祉については昭和54年度に新設以来、変わらぬ関心の高さを示しております。区もこの間、その充実に努めてきておりますが、それでも関心が高いということは、いかにわが国、わが区の高齢化が進んでいるかを如実に示していると思われます。 住宅問題は平成元年度に新設して、その年とその次の年に1位で、これも平成14年度までは高位を示しておりました。昨年は8位、今年度は11位と関心が低くなっております。これは、土地の値下がりに伴って住宅事情が好転してきていることを示しており、今後の住宅施策は量より質への重点化が必要なことだろうと思います。 平成15年度に新設された項目の「防犯・地域安全」と「ホームレス」は、1位、3位と関心が高く、これからの大きな課題であります。しかし、この課題はどちらも区だけで解決できるものではなく、都や国との連携がなければ解決できることではありません。これからは、私たちは足元を見つつ、また目を広く外に向けながらの自立性が求められるように思います。 そこで区長にお聞きしたいのは、今年度の区民意識調査をごらんになって、どのように感じられたか、その感想と、今後の施策にどのように反映させていくおつもりかお聞かせください。 5点目として、これからのまちづくりについてお伺いいたします。 まちづくりに関しましては、区長の私的な懇談会という位置づけのまちづくり懇談会での議論もまとめの時期に入ってきております。この懇談会の立ち上げは、区長就任以来、「新宿を知ろう、新宿区の抱える課題の最前線に行ってみよう」という意気込みがあらわれたものと思っております。 懇談会で話し合われたことは、その都度関連する委員会にも報告が出てまいりますし、ホームページ上においても公開されるなど、私的とはいうものの透明性の高い、公共性の高い議論となっております。 ことし6月には文化センターで公開シンポジウムが行われ、 200名近い区民が参加するなど、区民の関心も高い懇談会だと言えるのではと考えております。 そこで総論的なことからお伺いいたします。まず、この懇談会で話し合われたことは、これから先の区政へどのような反映をされていくのでしょうか。方向性とその過程を御説明ください。 次に、区民・住民意識との調和についてお伺いします。これまで環境建設委員会などで報告を受けた際に直感で感じたことは申し上げましたが、まだ取りまとめも行われていない段階でございましたし、懇談会の中身でございますので、結論めいた意見は申し上げませんでした。しかしながら、地域のブランドイメージとして公なものとなるのであれば、地域の人の意見も参考にされるべきであると考えております。 私は、地元の皆さんと地域でお話をした折に、一部の地域においては余りセンセーショナルなイメージが先行するネーミングは避けてもらいたいというお話を聞きました。本日は、個別の地域のお話はいたしませんが、ネーミング一つであっても外から見る感覚と、見られる側の住民感覚とのギャップをどのような形で酌みとる予定か、異論があった場合に再検討がなされるのか可能性についてお聞きいたします。 この項の質問として、最後の問いとなりますが、第四次実施計画の中で、歌舞伎町対策についても重点項目として取り上げられています。ことし7月の参議院選挙の際に、自由民主党が公約として掲げ、政府の方針としても取り上げられていますが、従来から東京都も新宿区も積極的な姿勢を持って臨んでくださっており、大変ありがたいことだと思っております。 そこでもう1点だけ申し上げますと、厳しく取り締まられている歌舞伎町の隣接地域、大久保・百人町地域へ与える影響についても配慮をしていただきたいと思っております。この地域は、以前から住民が環境浄化運動に取り組んできています。区長も御存じのことですが、新宿区の中でも安心・安全条例の第1号指定を受けた地区でもございますし、ごみの不法投棄など夜間に起こるトラブルも少なくはない地域であります。そのような観点から防犯カメラの設置等、地域とよく協議をして対応をしていただきたいと思います。 来年度予算の編成も行われているところと思いますので、今後のこの地区においての安全・安心のまちづくりについての御所見をお伺いいたします。 最後に地域センターへの指定管理者制度の導入についてお伺いします。 第二次行財政改革計画中間のまとめでは、地域センターについて各管理運営委員会と協議中とはなっていますが、平成18年度から指定管理者制度に移行するとなっています。現在、各地域センターの管理は、区民センター条例施行規則第17条により、地域の運営委員会で管理することとされ、それぞれの地域の人たちによって管理されています。したがって、地域センターは、自分たちの地域の施設であるとの思いが強く、非常に地域と密着した施設となっています。 それだけに地域の人たちにとっては非常に愛着があり、使用しやすい施設となっています。その施設の管理が、今回の移行によりどのように変わっていくことになるのか、不安の声をお聞きしています。恐らく夏ぐらいから説明が始まり、現在はどういう方向にするのか結論を出してくださいという時期にかかっているのではと思いますが、現在の全体としての導入に当たっての指定管理者制度の説明や、管理方式選択の進捗状況をお伺いします。 また、導入の方法についてもお伺いします。各センターの管理運営委員会の説明を受けての反応は、地域によってそれぞれの特色があると思われます。ところによっては、管理と運営の業務一切を引き受けたいという委員会もあるでしょうし、運営だけというところもあるかもしれませんし、受付業務と企画運営ぐらいならできるというところもあるかもしれません。地域によって人も環境も異なるわけですが、区としてはどのようなスタンスで見ておられるのかお伺いしたいと思います。 そして、関連してお伺いしますが、導入に当たっての移行期間についてであります。平成18年4月1日からよーいどんで一気に完成された形で導入するのか、地域によって段階的に業務をふやしていくことが可能なのかお伺いをしておきたいと思います。今回のこの地域センターへの指定管理者制度の導入は、住民と区民の協働のシンボル的な事業の一つではないかと感じております。 そういう意味でも、この制度の導入が無事に行われることを祈っております。地域の共同体の核として、地域住民がいこえる場合として地域センターの運営が手づくりで温かみのあるものになってくれればと思っております。そのためには、現在まで献身的に尽くしてきてくれている各地域の運営委員会の皆さんとの関係をどのようにしていかれるのかお伺いして、この項の質問を終わります。 以上、6項目にわたって質問させていただきましたが、第四次実施計画も第二次行財政改革計画も区民生活の向上に資するためのものでありますが、同時に区民との協働の上に成り立っていくものであると考えております。限られた財政でできる限りの満足を生み出すためにも、区民とともに歩んでいただきたいと思っております。 私ども自由民主党新宿区議団としましても、区民から選ばれた代弁者として、お伝えすべきことは伝えてまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。 以上をもちまして、自由民主党の代表質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(中山弘子) 吉住議員の御質問にお答えします。 最初に、第四次実施計画についてのお尋ねです。 今回の計画策定に当たり、8月に中間のまとめを発表し、地域での説明会やパブリックコメントを通して、広く区民の皆さんの意見をお聞きするとともに、「区長と話そう~しんじゅくトーク」で直接区民の方の御意見を伺いました。 これまでに寄せられた意見ですが、少人数学級や学校施設の空調化等学校教育に関する意見、また、子育て支援や子どもの遊び場、居場所づくりなど、新しい時代を担う子どもの育成に関する意見を多くの方からいただきました。 次に多くいただいた意見は、歌舞伎町対策や多文化共生の推進についてです。このほか、介護予防の充実や障害者福祉を初め、住宅対策、計画的なまちづくり、交通バリアフリーの整備促進、ヒートアイランド対策、ホームレス対策、文化・観光、参加と協働など、寄せられた意見は多方面にわたっています。 また、第二次行財政改革計画に関して、検診費用や施設使用料など受益者負担、ことぶき館、社会教育会館の廃止、学校施設の跡地活用などに関する意見が多く寄せられています。 今後は、これまでいただいた意見を十分に受けとめて、計画策定作業を進め、区民の皆さんの期待にこたえられる実施計画として取りまとめたいと考えています。 次に、第四次実施計画を進めるに当たり、職員のあり方、意識改革についてどのように指導していくかというお尋ねです。 御指摘のとおり、計画の4つの課題はいずれも行政のみで達成できることではありません。職員は、これまでの仕事の進め方や手順を大きく変革して、区民は地域の主人公であり、区政のパートナーであるということをしっかり認識し、区民や多様な団体等と協働して区民生活を支えるという意識を持つことが重要です。 議員は、先ほど、イチロー選手の努力と工夫を評価されておりましたが、職員も自分のこれまでの足の置き方や打撃フォームで、区民の暮らしのさまざまな場面からの速球や変化球に対応できるのか、反省と工夫が必要です。 今後とも、各部各課の日々の仕事の中で、職員がなお一層区民の視点を持つように変わっていくことが必要であり、そのことを粘り強く指導してまいります。 次に、都区財政調整制度の主要5課題についてですが、5つの課題の中でも都区の役割分担を踏まえた財源配分のあり方についての検討整理は、平成12年の都区制度改革の趣旨を名実ともに実現する上で、根幹にかかるテーマであると考えています。 地方自治法では、区民に身近な事務は特別区が都に優先して担い、都は大都市行政の一体性を確保するために必要な限りで特別区の事務を行うという、役割分担の原則が明確化されています。 この例外的、限定的に都が行う特別区の事務の内容が明確にされなければ、都区の役割分担を整理することができず、都区財政調整制度における現行の財源配分割合の検証も困難となり、区民に対する都区の行政責任があいまいなままとなってしまいます。 このような都区の役割分担が不明確な状態は、特別区を基礎的な自治体として位置づけた都区制度改革の意義を否定することにもつながるものです。 特別区と東京都は、首都東京における大都市行政を分担する真のパートナーとしての関係を築いていく必要があります。こうした考え方に立って、特別区は都に対し、検討の早い段階から都区役割分担の協議の前提として、都が現在特別区の財源を使って実施している事務の内容を明示することを求めています。 そして、特別区長会は、都区の検討が課題に即した具体的な面で進んでいないことを憂慮し、7月23日に都知事に対し、都区財政調整主要5課題の協議に関する申し入れを行うとともに、同日、都議会及び都議会各会派への要請も行ったところです。 また、9月にはPR用の資料を作成し、多方面への理解促進に努めるとともに、10月14日には、特別区長会と特別区議長会の役員合同会議を開催し、主要5課題の取り組みに関する申し合わせを行い、解決に向け一致協力して取り組んでいくことを確認いたしました。 私は、今後とも特別区長会や区議会との十分な連携と協力のもと、主要5課題の解決に向け積極的に取り組んでまいります。 次に、区有財産の有効活用についてのお尋ねです。 区の施設は、御指摘のように区民の貴重な財産ですので、最も効率的・効果的な活用となるようにし、新たな需要への対応と施設経費の縮減の両立を図りたいと考えています。 現在の活用状況の例としては、土地信託事業に活用している淀橋第二小学校跡地や、学校法人に貸し付けている旧淀橋第三小学校、旧淀橋中学校などがあり、財源を確保するための施設として効果的な活用を行っています。 また、同じ貸し付けでも、牛込原町小学校跡地や旧四谷第二中学校などは、民間の老人保健施設などとして活用されており、区民サービスの向上にも直接貢献しています。 西新宿子ども館や西新宿小学校の余裕教室となっている旧淀橋第二中学校ですとか、埋蔵文化財整理事務所や分庁舎用地にしている旧四谷第五小学校などは、現在も行政財産として活用しています。 このように、当初の役割を終えた施設は、地域需要や財政需要に応じた活用を図っています。 次に、今後の活用方針についてのお尋ねです。施設を廃止した場合の跡地などについては、新たな地域需要が認められる場合は、地域の方々へのサービスを提供する施設としての活用を検討します。また、新たな地域需要が認められない場合は、貸し付けなど財源確保のために活用します。 この場合でも、旧淀橋第三小学校を来年度から日本芸能実演家団体協議会にお貸しし、芸術文化の拠点としていくように、できるだけ区民の生活や福祉に資するよう、さまざまな工夫を検討していきます。 次に、区民意識調査を見ての感想ですが、私も今回の調査結果を大変興味深く読みました。 まず、施策への要望については、昨年度と同様に防犯・地域安全対策が第1位、高齢者福祉の充実が第2位となり、ある程度予想されたことはいえ、この2つが区民生活の中で大きな関心事であることを実感しました。 あわせてホームレス対策、環境美化、子育て支援など要望の上位に挙がった項目を見ますと、安全・安心なまちづくり、少子高齢社会への対応といった現在、新宿区が重点的に力を入れている取り組みを裏づける結果であると感じました。 特に、子育て支援・少子化対策については、昨年度の 8.1%から12.6%へと大きく要望が高まりました。このことは区民のニーズの高まりとともに、他の自治体に先駆けた区の次世代育成支援の取り組みが広く理解を得てきた結果だとうれしく思っています。 次に、どのように施策に反映させていくかとの御質問ですが、今回の調査では、「新たな都市型コミュニティの構築に向けて」をテーマに、新宿区のまちのイメージやまちづくりのあり方に関する区民意識を聞いています。 これからの時代、地方自治体は、その自立性を高めることが求められています。そのためには住民のニーズを的確に把握するとともに、将来どのようなまちにしていくかを明確に示すことが必要です。今回の結果については、次期の基本構想、基本計画といった区の長期的なビジョンを策定していく上での基礎資料として有効に活用していきたいと考えています。 それとあわせて、意識調査の結果は、ぜひ多くの区民の方々にもごらんいただきたいと思っています。今、新宿のまちでは、子育て、環境美化、教育、高齢者の社会参加など、多様な地域活動が生まれてきており、新たなコミュニティの芽が育ちつつあります。ぜひ、地域でもこの調査結果をごらんいただき、それぞれの地域活動の取り組みの中で参考にしていただければと考えています。 次に、まちづくりについてのお尋ねです。 初めに、まちづくり懇談会の議論の今後の区政への反映についてですが、現在、まちづくり懇談会の議論を踏まえ、庁内に策定会議を立ち上げて、まちづくりグランドデザインを策定中です。このまちづくりグランドデザインは、区として新宿のまちづくりの将来イメージについての考え方をまとめるものであり、今後、区民と協働でつくる次期基本計画や都市マスタープラン等の行政計画の策定に当たり、素材を提供することを目的としています。 策定に当たっては、都市計画審議会や区民フォーラムでの意見交換を経て、平成17年度中に取りまとめる予定です。 今後まちづくりグランドデザインは、区民との活発な議論を通して、各種行政計画へと反映され、まちづくり懇談会での話し合いが区政に生かされていくものと考えております。 次に、地域イメージのネーミングについてのお尋ねです。まちづくり懇談会では、地域の特色を明確にするために、地域個性を強調したネーミングを付した資料を作成し、議論を重ねてまいりました。これは、議論を促進するために例示として用いたものです。まちづくりグランドデザインにおける地域イメージについては、現在検討中であり、仮にネーミングする場合でも、議員御指摘のように地域の皆様の共感が得られるネーミングとなるよう工夫してまいります。 次に、大久保・百人町地区の安全・安心のまちづくりについてのお尋ねですが、大久保・百人町地区は、地域の皆さんが平成3年に環境浄化対策協議会を設置し、長年にわたり警察との合同パトロールを実施するなど積極的に地域安全活動を続けており、区もできる限りの活動、支援を行っております。 防犯カメラの設置については、既に大久保・百人町環境浄化対策協議会から、防犯カメラ設置補助金申請をいただいており、年内には防犯カメラの設置助成を決定する予定です。 また、本年度、環境土木部のアクション04事業により、同地区のごみの不法投棄や放置自転車対策など、総合的環境美化のために「大久保・百人町地区クリーン活動協議会」が設立されました。今後とも安全・安心なまちづくり推進のため、地域の安全活動を積極的に支援してまいります。 次に、地域センターへの指定管理者制度の導入についてのお尋ねです。指定管理者制度の導入については、1月と6月に地域センター管理運営委員会代表者会議を開催し、その制度の内容について説明をいたしました。 その後、引き続き各特別出張所長が各地域センター管理運営委員会に、制度の内容を説明してまいりました。地域センターの管理方式については、区の基本方針として指定管理者制度を導入することとしています。指定管理者制度の導入に当たっては、区民のコミュニティ施設という地域センターの設立目的を考慮すると、地域センター管理運営委員会に指定管理者になっていただき、地域センターの管理運営をしていただくことが最良と考えましたので、その方向で調整をしているところです。 導入の方法については、9月に地域センターの代表者の方々にお集まりいただいた場において、業務範囲等について意見交換を行った結果、おおむね現在の業務内容であれば受託できるとの御意見をいただいていますので、その方向で検討をしているところです。 導入に当たっての移行期間についてですが、地域センターに指定管理者制度を導入するのは初めてのことですので、平成18年4月からは、当面、現在の業務内容を委託することを考えています。 その後、導入後の管理・運営状況等を判断し、地域によって段階的に業務をふやしていくことが可能かどうかを、地域センター管理運営委員会と協議しながら検討していきたいと考えております。 地域センター管理運営委員会との今後の関係についてですが、地域センター管理運営委員会が地域センターの管理運営を通じて、地域コミュニティの活性化に多大な貢献をされてきたことについては、私としても十分認識しているところです。 私は、地域センター管理運営委員会を地域における重要なパートナーの一つとしてとらえており、ともに協働して暮らしやすい地域社会の実現を目指し、努力をしてまりたいと考えております。 以上で私の答弁を終わります。 ◎教育長(山﨑輝雄) 教育委員会への御質問にお答えいたします。 余裕教室の使用に関する教育委員会の方針についてのお尋ねです。 御指摘のように、確かにこの10年間、児童・生徒数が減少し、それに伴い普通教室等の余裕教室が生じています。しかし、この間、コンピュータ利用教育、習熟度別学習クラス編制による少人数学習指導等、学校教育環境も大きく変化し、これらの新たな教育需要に応じた教室整備、利用を行っております。また、豊かな食生活を送るためにランチルームを整備する等、多様な利用に供しております。さらに学校は、地域の核、コミュニケーションセンターであることから、余裕教室を地域開放用会議室等としての整備も図り、地域の皆様の利用に供しております。 そのような現状から、実質的な余裕教室は極めて少なくなってきておりますが、余裕教室の使用につきましては、限られた教室を貴重な資源として、豊かな学習教育環境づくり、地域社会への開放を柱に、さらなる有効利用を図っていく考えでおります。 次に、学校施設以外の利用についてのお尋ねです。御案内のとおり、これまでも東戸山小学校のデイサービス施設等、学校施設以外の利用についても有効利用を図ってまいりました。教育委員会といたしましては、今後も引き続き可能な限り、学校施設以外の利用についても、区民の御要望に配慮しながら検討してまいりたいと考えております。 以上で答弁を終わらせていただきます。 ◆4番(吉住健一) 自席より発言させていただきます。 ただいまは、区長とそして教育長より誠意ある御答弁をいただきありがとうございました。区長におかれましては、これから都区協議等大変厳しい中に置かれると思いますが、どうか新宿区政のよりよい推進のために御尽力のほどお願い申し上げます。 また、教育委員会におかれましても、新宿区の子どもたちの未来は、皆さんの双肩にかかっているという誇りを恐らくお持ちと思いますので、どうか今後も頑張っていただきたいと思っております。 本日、私は恐らく任期中最後の代表質問となると思いますので、無理やり詰め込みまして時間がなくなってしまいましたが、今後とも一般質問等、機会をとらえて区民の皆さんの意見をお伝えしていきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 以上で質問を終了いたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(山添巖) 次に、20番のづたけし議員。          〔20番 のづたけし議員登壇、拍手〕 ◆20番(のづたけし) 新宿無所属クラブののづたけしです。区議会第4回定例会に当たり、区長並びに教育委員会に質問いたします。どうか誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず最初に、区財政の見通しについて包括的にお伺いいたします。 現在、社会では三位一体の改革についての議論が活発に行われております。この改革のいかんによって、今後新宿区の区財政はどのような影響を受けるかについては、前定例会におきましても多数の会派の議員から指摘があったように記憶しております。 確かに定率減税の段階的廃止に伴って住民税が増加するとか、好調な企業業績に支えられて現在の東京都の税収予測が改善しているなど、明るい兆しも感じられますが、新宿区を初めとする23区は、もともと地方交付税の不交付団体であるため、過去の減税補てん債などはそのまま負の遺産として残りますし、現在、都区間で進められております都区財政調整に関する主要5課題についての協議でも、東京都によって新たに大都市行政という概念を持ち出されることで、従来、議論の対象となっていた大都市事務の内容の明確化がおくれるなど、財政をめぐる状況は、すべて新宿区が期待する方向にばかり展開するとは限りません。 足元の区財政の現状見通しでは、後期基本計画を受けての第四次実施計画において、平成17年、平成18年、平成19年の3カ年で財源不足額が45億円ほど生じるとの予想です。これに対しては、財政調整基金の取り崩しによって何とか対応しようとのことですが、初めに不足額ありきの計画ではなく、大切な基金にはなるべく手をつけないように配慮するといった、ある程度の余裕を持った計画の立て方も必要ではないでしょうか。 今後想定される中央図書館、スポーツセンター、文化センターなどの基幹施設の建てかえや大規模改修を考えると、将来の資金需要に対応した基金の積み上げは必須の課題です。 区民とともに多くの苦労を重ね、せっかく財政非常事態宣言から脱却したのですから、小康状態を得た現在こそ、役所でやるべきこと、民間でもできることを見きわめ、一層の業務の精査を図り、行政をより効率的にすることで区民要望に重点的にこたえるべきであります。 民間企業におきましても、景気が底入れした2002年度、2003年度、さらに今年度にわたって決して好転した状況に気を緩めることなく、経営におけるリストラクチャリングを続行することで、現在では競争力も幾分向上し、利益が出やすい体質に改善されています。 その結果、今年度は多くの企業でバブル崩壊以降、最高の収益を上げているわけですが、それでもなお必要な設備投資以外では引き締めを続け、有利子負債の圧縮に余念がありません。将来の国際的な大競争時代に備えるためには当然のことです。 以上のことを踏まえて今後の新宿区の財政運営について、区長の御見解をお伺いいたします。 次に、スペシャリストの育成と協働のあり方についてお伺いいたします。 新宿区の将来的なまちづくりの全体像が検討され始めており、それによってまさに東京の中心都市としてのマンハッタンをもほうふつさせるような先端的なグランドデザインが示されることは大いに評価に値いたします。 確かに新宿区も基礎的な自治体の一つですが、いわゆる日本のどこにでもある「おらが町のよき役所」といった感覚で運営していくわけにはいきません。複雑な都市問題に迅速に対応し、都市としての国際的な競争力を高めるためには、それに応じた体制がスタッフの面からも必要であります。かねてから私や私の会派は、新宿区の職員の専門性を伸ばし、都市問題に対応したスペシャリストを育成することの大切さを訴えてきましたが、改めて従来行われている研修に加え、特別なプロジェクトチームをつくり、日本の都市だけでなく、世界の大都市行政の実情を調査研究するような人材育成の枠組みはできないでしょうか。          〔「そうだ」と呼ぶ者あり〕 現在、区役所内でそのようなことを実施することがすぐには困難な場合でも、外部のスペシャリストと連携してその能力を活用できるようにすることは、緊急の課題と思われます。 一言でスペシャリストと言いましても、ITの分野でのスペシャリスト、複雑化する市場に対応した金融財政のスペシャリスト、人事の分野での生産性管理のスペシャリスト、マスコミなどメディア対応のスペシャリスト、都市工学や交通問題のスペシャリスト、知的所有権などにも精通した法務のスペシャリストなどなど、その能力が求められる領域は多いはずです。また、新宿区内にはこのような分野での能力を有するスペシャリストは多く住んでいるはずです。彼らの広範囲なネットワーク化が望まれます。 区民との協働とは、現在、新宿区において最も強く推進されている区政の施策で、協働推進基金・NPO活動資金助成も始まり、そこでは一定の成果が見込まれるものと確信しております。 このような実績を総合的に踏まえ、これからは今まで行われてきた防災関係での協働や、公園運営での協働といった第一段階での協働のあり方から、ビジネススキルの領域ともクロスオーバーするような、より専門的な問題にも対応したスペシャリストとの協働といった次の段階へ移行する時期ではないでしょうか。 以上のような点について、区長のお考えをお聞かせください。 次に、区民サービスにおけるきめ細かい情報提供のあり方についてお伺いいたします。 区民サービスの向上のためには、必要な情報をきめ細かく提供することは当然求められる要件であります。しかし、ややもすれば形式的な情報ばかりで、本当に区民のニーズに合った情報提供がなされていないこともあります。 区民サービスの多くは、それが福祉の分野であれ教育の分野であれ、人間対人間という形で提供されるものが多くあります。そこで求められるものは形式的な情報ではなく、もっと生の情報であります。テレビショッピングや投資などの情報であれば、正確な商品内容や数字そのものが伝われば十分ですが、人間が行うサービスの分野では形だけではない、まさに人間自体の情報が求められているのです。 1つの例を挙げて説明したいと思います。介護保険の利用者が事業者を検討する際に使われる介護サービス事業者ガイドブック「ハートページ」という冊子があります。この中では、介護サービスを受ける際の事業者の情報が項目別に詳細に掲載されております。情報としては、事業者名、所在地、連絡先に加え、スタッフ体制や特色などが盛り込まれております。 しかし、特色の欄に記された内容を主に幾つか抜粋いたしますと、「お客様が安心していただける云々」、「ハートのある介護を心がけて云々」、「親身な対応をモットーに云々」、「地域に密着したサービス提供云々」と、どれも同じようなアピールで、実態の部分はなかなかわかりません。介護サービスの利用料金に一定の基準がある以上、利用者にとって本当に知りたいことは、一体どのような人が介護に来てくれるのかということなのです。 利用者のニーズには多様性があります。若くて元気のいいスタッフを求める利用者、年配でも経験あるスタッフを求める利用者、てきぱきと動くスタッフを求める利用者、ゆっくりやさしく対応するスタッフを求める利用者、あるいは趣味などで話題を共有できるスタッフや、出身地が同じスタッフを求める利用者と、本当に千差万別であります。 人間同士には必ず合う合わないがあります。そのマッチングによって同じサービス内容が提供される場合でも、利用者が感じる満足度には雲泥の差が生じることも事実であります。レストランを予約したりツアーを選んだりといった問題と違って、介護サービスを受けるという重大な選択の局面においては、このような情報は最も必要な情報といえるでしょう。 介護のことを例にとりましたが、これは、保育園や学校選択制のもとでの小・中学校とさまざまな分野でも同様のことが当てはまるように思われます。確かに行政が主導となって、このような個人情報の情報提供を行うことは、いささか問題もあり困難であるということはわかりますが、利用者であります区民の満足度を向上させるために、行政サービスに関する情報提供においても多様なニーズを満たす何らかの工夫はできないでしょうか。 最後に、教育委員会に対して、区内の小・中学校における芸術教育のあり方についてお伺いいたします。 私は、区議会第2回定例会における一般質問で、実学の重要性について訴えさせていただきましたが、今回は、同様の視点に立って芸術教育のあり方を取り上げたいと思います。 現在、区内の学校では小学校で年間50時間から70時間、中学校で年間35時間から45時間が美術・音楽といった芸術分野での勉強時間に充てられております。そこではそれぞれの学年に合わせて楽器演奏、唱歌、写生、工作などの実技と、作品鑑賞が行われております。それぞれが大切な学習課程であるとの認識はありますが、限られた時間での授業であるならば、初等教育の段階では、むしろ作品鑑賞に力点を置いた芸術教育が必要ではないでしょうか。 私たちが成人してから、プロとは言わないまでも、趣味のアマチュアのレベルであっても日常的に楽器を演奏したり、また、絵画や彫刻をつくり出す人は一体どれぐらいいるでしょうか。単純に技術的なことに限定してみても、音符を見てすぐにメロディーや和音が浮かんできたり、遠近法を使い即座に風景をデッサンすることのできる人は少ないように思われます。詳細なデータはありませんが、音楽、美術両方にわたってアマチュアのレベルにおいても自在に表現できる人は、多分一割にも満たないのではないでしょうか。 しかし、表現はできなくとも、一般的に音楽を耳にして不快になるとか、部屋に飾られた絵画を邪魔に思うといった人はほとんどいません。つまり、多くの人々は、成人してからは、こと芸術に関しては表現する人、クリエーターではなく、鑑賞する人、コンシューマーであるわけです。 私たちの生活の中で芸術作品として対象になるものは数多く存在します。音楽のジャンルをとってみても、クラシックだけでなく、ジャズ、ロック、さらには三味線、長唄、雅楽などの伝統音楽と広範囲にわたります。 また、美術も絵画、彫刻に加え、陶芸、デザイン、写真、ファッション、建築、インテリアと広がりますし、映画、オペラ、能・狂言など、両者を合わせた総合芸術もあります。 以上のことを考えますと、芸術教育のあり方も単に技術的な能力を鍛錬するよりも、本物の作品に触れるなど、感性をはぐくむ方に力点が置かれるべきではないでしょうか。 教養や知識としてだけ作品を鑑賞するのではなく、その芸術が生まれた時代背景や社会文化などともあわせ、総合的によい作品に触れることで、何よりも芸術に対する興味や関心を育てることこそ大切だと思われますが、いかがお考えでしょうか。 以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ◎区長(中山弘子) のづ議員の御質問にお答えいたします。 今後の区財政にとって、第四次実施計画で掲げる目標を着実に達成することに加え、次期基本計画に向け財政対応力を強化していくことが重要な課題と考えています。 現在策定中の第四次実施計画では、小・中学校の統合新校や区民センターの建設など、増大する投資的経費とともに生活保護費や特別会計への繰出金などが増加傾向にあるため、一定割合の基金の取り崩しが不可避な見込みとなっています。 これまでの行財政改革等の成果を踏まえ、今後とも安定した財政運営を続けるためには、基金の繰り入れを最小限にとどめ、残高の確保を図ること、大規模な施設整備については償還経費も考慮の上、起債を積極的に活用していくことなどが必要と考えています。 さらに、区政全般にわたる事項として、歳出面では事業の優先度や必要性を踏まえた予算の重点的な配分や、指定管理者制度など民間活力の積極的な活用による効果的かつ効率的な事業運営等に努めてまいります。 また、歳入面では、特別区民税滞納整理の強化や財産活用、都区財政調整制度における主要5課題の解決による財源の確保を図ることなど、歳出、歳入の両面における総合的な取り組みを通して、柔軟性の高い持続可能な財政運営を目指してまいります。 次に、スペシャリストの育成についてのお尋ねです。 これまでの人材育成は、どのような分野でも一定のレベルで仕事がこなせる、オールラウンドの職員育成や人事ローテーションが基本でした。行政運営にはその観点も必要ではありますが、私は、だれにでも得意分野と不得意分野があり、それぞれの強みを生かす育成策や人事配置が組織の活力を高め、区政の質的向上を図るために必要と考えています。 職員の専門性を高め、さまざまな分野にその職務に深く精通する職員を育成していくことが今重要です。そのため、今年度から職員に大学院公共経営科で大都市問題を研究させており、今後は民間研修機関に職員を派遣するなど、スペシャリスト育成に力を注いでまいります。このような試みを継続する中で、複雑な都市問題にも区民と協働して対応できる職員を育ててまいります。 次に、スペシャリストとの協働についてのお尋ねですが、地域の力をより一層高めていくためにはさまざまな分野で活動している人材の発掘とネットワークづくりを欠くことはできません。御指摘のとおり新宿区内には、さまざまな専門分野で活躍されている方が大勢います。そのような方々との協働は、専門的問題に対応する上でもとても重要なことだと思います。 既に、まちづくりや環境問題などの分野においては、専門家との協働が進められていますが、広範囲なネットワーク化という点では、いまだ十分とは言えません。 このため、今年度の協働推進基金・NPO活動資金助成による起業講座に対する助成を初め、専門性のあるNPO活動への支援を行っていくとともに、今後ともさまざまな活動事例の紹介や、話し合い、学習の機会を設けながら、人材の発掘やネットワークづくりを進め、区政の各分野で専門性のある地域の人材を活用することにより、「スペシャリストとの協働」をさらに推進してまいります。 次に、区民サービスにおけるきめ細かい情報提供についてのお尋ねです。 区民サービスの向上のためには、必要な情報をきめ細かく提供していくことが重要なことです。そのために、例えば福祉サービス第三者評価を受けた介護保険サービス事業者の評価結果を公開するなど、区民に必要な情報の提供に努めています。 しかし、御指摘のように行政として提供が難しい情報があることも事実です。そこで、新たな試みの一つとして、区民との協働で子育て支援の情報提供の仕組みであるホームページを活用した、「区民とつくる子育て情報局」に現在取り組んでいるところです。 今後は、さらに子育てや介護などの事業評価に取り組んでいるNPOや、さまざまな団体の持つ情報を活用し、区民に必要な情報をきめ細かく提供できるよう検討してまいります。 以上で私の答弁を終わります。 ◎教育長(山﨑輝雄) 教育委員会への御質問にお答えいたします。 芸術教育のあり方についてお答えいたします。 小・中学校における図工・美術や音楽の指導は、創造する喜びや愛好する心情と芸術に対する感性を育てるため、表現及び鑑賞の幅広い活動を通して基礎的な能力を伸ばし、豊かな情操を養うことを目的として行っております。 特に鑑賞活動では、作品自体のよさに触れるだけではなく、作品の背景にある文化や歴史、他の芸術とのかかわりを学ぶことを通して、芸術に対する感性をはぐくんでいます。また、表現活動では、児童・生徒がつくり出した作品を互いに鑑賞し、互いのよさを認め合い、より豊かな表現に高める創造的な活動も行っております。 教育委員会といたしましては、今後も児童・生徒が生涯にわたり、芸術に親しむ態度や感性の育成を重要視した芸術教育の充実を図ってまいります。 以上で答弁を終わらせていただきます。 ◆20番(のづたけし) 自席より発言させていただきます。 丁寧な御答弁ありがとうございます。 今回は代表質問ということもありましたので、財政とか協働とかというような一般的なことについて、今までの議論を確認する意味での質問をさせていただきまして、また、答弁におきましても、共通認識がある程度持てたということで非常にうれしく思っております。 スペシャリストということで、決算特別委員会の方でもメディア対応のスペシャリストのネットワークが必要だなんていう話もさせていただいたんですけれども、本当に新宿区を見渡せばそういう人たちはたくさんいると思うんです。 例えば、この議会の中でもテレビ局出身の議員もおりますし、今度、都議会議員になられる方も広告関係のプロだというふうに聞いておりますので、そういうふうな近いところからでも広がっていくと、かなり大きなネットワークになるのではないかと思っております。非常に期待しております。 どうもありがとうございました。(拍手) ○議長(山添巖) 以上で、本日の代表質問は終了しました。 --------------------------------- ○議長(山添巖) 次に、日程第2及び日程第3を一括議題とします。          〔次長議題朗読〕 --------------------------------- △16陳情第24号 訪問看護に関する陳情 △16陳情第25号 無料のカウンセラー設置に関する陳情 --------------------------------- ○議長(山添巖) なお、委員会審査報告書はお手元に配付しましたとおり、撤回の承認です。 お諮りします。 本件はいずれも委員会審査報告のとおり決定することに御異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(山添巖) 異議なしと認めます。 本件はいずれも委員会審査報告のとおり決定しました。 --------------------------------- ○議長(山添巖) 以上で本日の日程は終わりました。 次の会議は11月26日午後2時に開会します。ここに御出席の皆様には改めて通知しませんので、御了承願います。 本日はこれで散会します。 △散会 午後6時20分                 議長    山添 巖                 議員    下村治生                 議員    近藤なつ子...